花王、一人負けが続く化粧品「大改革」の勝算 子会社カネボウの社長交代で巻き返しなるか

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マーケティング投資のみでなく、販売方法でも価格帯によりメリハリをつける。従来中価格帯は、美容部員などが対面で販売する「カウンセリング」と、が顧客自身が選んで買う「セルフ」の両パターンを取っていたが、今後中価格帯はセルフのみで販売する。伸び悩む中価格帯のコストを抑制し、高価格帯と低価格帯に経営資源を集中していく。

カネボウ化粧品の行く末

今回の説明会で村上氏がたびたび強調していたのは、「カネボウと花王の融合」だ。それを唱える大きな要因は花王とカネボウの水と油ともいえる差にある。カネボウはエッジの利いた「感性」を特長としていたが、マーケティング分析などデータに強みを持つ花王とは、企業文化もブランド戦略も異なりうまくシナジーが図れずにいる。

カネボウ化粧品社長の村上由泰氏は会見中に「カネボウと花王の融合」という言葉を何度も強調していた(撮影:今井康一)

村上氏は、「花王の強みである技術と、カネボウが得意とする感性をうまく融合させることで、個性のあるブランドを作り上げていきたい」と意気込みを口にする。現在花王とカネボウは研究開発体制と販社を統合しているが、今後はカネボウと花王との間で人的交流を行う構えだ。

カネボウとの融合をより進めていくことで、巻き返しを図ろうとする花王の化粧品事業。2020年度には売上高3000億円、営業利益率10%という目標も掲げた。だが昨年度の営業利益率が4.7%であったことを考えると、かなり強気な数値ともいえる。

2018年度の第1四半期を見ても、国内化粧品の売上高はいまだ減収で道のりはまだまだ険しい。直近1年は成長が期待できるアジアに投資の比重を置く方針で、国内市場での回復はまだまだ先になりそうだ。

若泉 もえな 東洋経済 記者

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わかいずみ もえな / Moena Wakaizumi

東京都出身。2017年に東洋経済新報社に入社。化粧品や日用品、小売り担当などを経て、現在は東洋経済オンライン編集部。大学在学中に台湾に留学、中華エンタメを見るのが趣味。kpopも好き。

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