安倍首相「自民総裁3選」へ吹き始めた追い風 内閣支持率が反転の兆し

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また、今月24日告示・6月10日投開票の新潟県知事選で、野党統一候補が与党系候補に勝利した場合、野党が勢いづいて、法案審議が一層困難になるというリスクシナリオもある。

このようなリスク要因を乗り越えて重要法案を成立させ、通常国会を安倍首相が乗り切った場合、9月に予定されている自民党総裁選での安倍首相の優位は、かなり際立ったものになると予想する向きもいる。

有力な対抗馬と目されている自民党の岸田文雄政調会長は、比重が増す党員票の獲得で後れを取っているとの予想が多い。「知名度で劣勢」(与党関係者)なためだ。

ただ、政策遂行上の安定感を支持する声も少なくなく、なかでも中央官庁における期待感が相対的に高いともみられている。

石破茂・元幹事長は党員票を大量に確保しそう

しかし、そのことが「地方での伸び悩みにつながる」(先の与党関係者)と懸念する声も聞かれる。

知名度が高く、地方で人気の石破茂・元幹事長は、党員票を大量に確保しそうだと安倍首相周辺から警戒されている。

ただ、国会議員票の確保では劣勢との見方もあり、党員票と国会議員票を合計した票数では、安倍首相がリードしているとの見方が、ここにきて有力になっている。

自民党総裁選は、今回から党員票と国会議員票が同数とされ、地方での人気が選挙動向に大きな影響を与える。

この点が、どのように影響を与えるのか。6月12日の米朝首脳会談を受けて拉致問題がどのように推移し、日朝関係がどのように進展するかも含め、外交問題に対するイメージも今回は無視できないという声が、与党内にくすぶっている。

(竹本能文 編集:田巻一彦)

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