文春の編集者が「料理サロン」を作ったワケ 「日本ガストロノミー協会」の狙いとは?

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4月14日には、「イタリア料理を食べながらオリーブオイルを学ぶ」をテーマにしたイベントも開催。六本木の有名イタリアンレストラン「ラ・ブリアンツァ」の奥野義幸シェフを招き、高松市産の稀少なオリーブオイルを用いて料理教室を行った。このように、食材の背景を参加者に知ってもらい、ひいては生産者を応援しようというイベントもある。

「意外性」のあるイベントも企画していく

なお、奥野シェフとのイベントは3月にも行われている。奥野シェフをアシスタントにした「シェフズキッチン」と銘打ったイベントで、前菜からパスタ、メインのコース料理に取り組んだ。こうしたイベントは高い頻度で行われており、今後のイベントも、フェイスブックで情報を得ることができる。

レバーの下ごしらえの様子。こうした、普段の家庭料理ではハードルが高い料理にもプロの料理人のアドバイスを得て挑戦できる(編集部撮影)

「まだ本格稼働から日が浅いですから、今はイベントを行い、協会の存在を知ってもらうことに力を入れています。ただ将来的には、会員制にするなどして、きちんと利益を出し、おカネを回す仕組みを考えていけたらと思っています。いずれ余裕が出てきたら、地域の子どもたちにメンバーで料理を作って振る舞う『子ども食堂』や、誰も考えたことのないコラボ、ポップアップの『秘密のレストラン』といった、意外性のあるイベントも企画していきたいと思います」(柏原氏)

日本ガストロノミー協会の挑戦は、まだ始まったばかりなのである。

圓岡 志麻 フリーライター

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まるおか しま / Shima Maruoka

1996年東京都立大学人文学部史学科を卒業。トラック・物流業界誌出版社での記者5年を経てフリーに。得意分野は健康・美容、人物、企業取材など。最近では食関連の仕事が増える一方、世の多くの女性と共通の課題に立ち向かっては挫折する日々。contact:linkedin Shima Maruoka

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