CX-3と同じクラスに挙げられるのはトヨタ自動車「C-HR」やホンダ「ヴェゼル」だろう。C-HRは2017年にそれまで4年連続で国内SUVナンバーワンだったヴェゼルからトップの座を奪ったヒット車種。自販連によれば、2017年度(2017年4月~2018年3月)にC-HRは10万2465台を売ったのに対し、CX-3は1万5391台。ヴェゼルも6万1378台と奮闘を見せており、コンパクトクロスオーバーSUVは人気カテゴリである。
これに関して当初、「CX-3は日本で唯一のディーゼルエンジン専用車という特異な立ち位置が影響したのでは」と自動車業界内では指摘されていた。
マツダのディーゼルエンジンは従来のイメージとは異なり、現在ではガソリンエンジンとほとんど変わらないほど排出ガスがクリーンなうえに、エンジン自体のトルクはガソリンエンジンを大きく上回る力強さで燃費も良い。
その分、高度な燃焼技術や後処理装置を必要とするため、同排気量車で比較すると車両価格がどうしても高くなってしまうのが難点だった。たとえば、CX-3の当初の最低価格は230万円台と競合車種の1つであるホンダ「ヴェゼル」のハイブリッド車と同等で、200万円以下のグレードもあるヴェゼルのガソリン車に相当するグレードがなかった。CX-3を購入する層が、高くても性能の良いディーゼルエンジンを求めるかという点で、購入に迷いが生じやすかった側面は否定できない。
「SKYACTIV-G 2.0」搭載車をCX-3へ新たに設定
そこでマツダは昨年6月、新世代ガソリンエンジン「SKYACTIV-G 2.0」搭載車をCX-3へ新たに設定。
最低210万円台からの価格設定となって、翌月7月には販売台数2071台を記録したものの、数カ月で再び低迷してしまった。
C-HRの場合、排気量1.2Lのガソリンターボエンジンと、同1.8Lガソリンエンジン+モーターのハイブリッド仕様があり、車両価格は229万円台からとCX-3よりも高額な価格帯だ。だとすると、CX-3の販売台数が伸び悩む理由は、ガソリンエンジン搭載車の設定がなく、価格面での割高感があったことだけではなかったというワケである。
CX-3の走行性能や乗り心地、機能面の仕上がりを鑑みれば、C-HRやヴェゼルに特別に劣る要素は見当たらない。にもかかわらず、CX-3がイマイチ振るわないと考えられる理由は2つある。
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