家の売却で大損しないための「5つの条件」

「不動産業者任せ」にすると大きな痛手も

FPとして不動産業務に向き合うときのポイントは、まず「ライフプラン」をしっかり立てて、売却時期やローンの兼ね合いを見ていきます。一方、不動産仲介業者はあくまでも「家の売買」に焦点を絞り、顧客の家計状況を考慮することはほとんどありません。

実際、私自身、30代後半から40代前半でマンションの売買を一定数担当しましたが、仲介業者が考慮するのは「住宅ローンが通るかどうか」という査定部分のみで、ローンを組んだ後の「キャッシュフロー」について聞くことは一度もありませんでした。

「専属」「専任」の場合「レインズ」に登録しているか確認を

私自身が扱った案件の話をすると、今年、立て続けに入った2件の不動産売買で不動産業者のルール違反を見つけ、とても驚きました。それは物件の取引形態に絡むものでした。

そもそも不動産売買をするとき、宅地建物取引士の免許を取得している業者に仲介してもらいますが、その際、次の3つの形態があります。3つの契約を一つひとつ見ていただきたいのですが、簡単に言うと、契約をしておきながら、ルールを守らない業者が後を絶たないのです。

●専属専任契約
依頼者(売り主・貸主)が、ほかの宅建業者に重複して依頼することができないと同時に、依頼した宅建業者が紹介する相手以外の人とは取引できない媒介契約。依頼した業者にすべてを託すことになる(以下「専属」)。
●専任媒介契約
依頼者(売り主・貸主)が、ほかの宅建業者に重複して依頼できない媒介契約。上記の「専属」との違いは、依頼者が自ら取引相手を見つけた場合、業者に仲介手数料を支払う必要はないところ(以下「専任」)。
●一般媒介契約
依頼者は(売り主・貸主)は、ほかの宅建業者に重複して依頼をすることができる媒介契約。売り主としては自由度が高いものの、依頼された不動産業者は販売熱が入りづらいため、宣伝告知の面で不利になりやすい。

ここで、皆さんは、「レインズ」という不動産専門のコンピューターネットワークシステムをご存じでしょうか。これは、国土交通大臣から指定を受けた不動産流通機構(指定流通機構)が運営しているシステムの名称です。このシステムによって、指定流通機構の会員である不動産業者間で物件情報のやり取りができます。不動産売買の経験のある方なら、仲介業者から「レインズ」という言葉を聞いたことがあると思います。このシステム上にアップされる物件情報を基に、「これだ!」という物件を見つけた仲介業者は自社のHPや不動産情報サイトに掲載して、顧客にPRをしていくというのが一般的な流れです。

ただし「取り扱い物件」として紹介されているものは、すべてその仲介業者が物件の持ち主であるオーナーと契約したものではありません。よく見ると、違う業者のHPでも同じ物件が「自社物件」としてPRされていることがあるのです。

媒介契約形態のうち「専属」と「専任」は、売り主から依頼された物件をレインズに登録をする義務があります。それは広く多くの業者に物件を紹介することで、買い主を早く見つけるためです。一方「一般」の場合、レインズへの告知義務はありません。売り主の自由度は高いですが、レインズに掲載されないとPRの幅が狭くなるので不利になります。

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