米国は中国を一体どれだけ警戒しているのか

トランプ陣営の姿勢は両国経済に影響する

両国間の緊張は高まっています(写真:andriano_cz/iStock)

米商務省は4月16日、中国の通信機器大手の中興通訊(ZTE)に対して米国企業製の通信機器やソフトウエアなどの輸出を禁止する制裁を発表しました。5月上旬には、中国国内のインターネット上でZTEのスマートフォン販売を一部停止しています。今年3月のアメリカによる鉄鋼・アルミニウムの輸入制裁を端緒に、米中貿易摩擦をめぐる双方の応酬は激しさを増しています。

4月25日には中国通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)を、米検察が捜査していることもわかりました。さらに、製品販売を規制する大統領令まで検討中、と一部で報じられています。一連の取引規制や取り締まりから、米国政府や捜査当局が、中国通信企業を狙い撃ちにしているのは明らかです。

拙著『「米中関係」が決める5年後の日本経済』でも述べましたが、ZTEとファーウェイの2社が中国政府と密接な関係があり、アメリカのネットワークで大きな影響力を有することの危険性を意識したうえでの対処といえます。こうした製品を輸入すれば、それこそ大量の個人情報の流出が考えられますし、情報機関や軍事機関とのアクセスをスマホで行われた場合は、安全保障上の問題にもなりうる、とアメリカは考えているのです。

対中制裁の切り札は「COCOM規制」!?

トランプ大統領が「警告」から具体的な行動に移す可能性はあるのでしょうか。ここまでのトランプ大統領のやり方を見ていると、旧共産圏の国に対しては、どこかの段階で再びCOCOM規制(Coordinating Committee for Multilateral Export Controls=対共産圏輸出統制委員会)のような技術や産品に対する規制を強化する可能性があると考えられます。

20~30代のビジネスパーソンは聞いたことないかもしれませんが、COCOM規制とは、冷戦期に自由主義陣営を中心に構成された共産圏諸国への軍事技術・戦略物資の輸出規制を目的に行われた規制です(旧ソ連が崩壊して意義が薄れたために1994年3月に解散)。

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