米朝首脳会談にシンガポールが選ばれた必然 トランプ大統領は板門店を熱望したが…
正恩氏は今月7~8日、この専用機を使って中国遼寧省大連を訪問しているが、「シンガポール行きの予行演習だった」(韓国紙)「長距離飛行に備えて中国からベテランパイロットを貸してもらった」(香港紙)との見方もある。
今年3月、正恩氏は専用列車で北京を訪問し習近平国家主席と会談している。父の金正日総書記(故人)は、飛行機嫌いで知られていたが、正恩氏は、国内を飛行機で回ることも多い。戦闘機に同乗した経験もあり、むしろ「飛行機好き」とみられている。今回は、自国向けの報道では、さっそうとシンガポールに空路で出向くシーンを使うに違いない。
会場はシャングリラホテルか
話をシンガポールに戻そう。シンガポールは歴史的に重要な会談を開いた経験も豊富だ。2015年には習近平中国国家主席と馬英九台湾総統(当時)による、初めてのトップ会談が開かれたことは記憶に新しい。政治的に難しい会談だったが、混乱なく開催された。
またシンガポールを代表するシャングリラ・ホテルでは、アジア最大規模の「アジア安保会議」(シャングリラ対話)が、2002年から毎年開かれている。6月12日の米朝首脳会談場も、シャングリラホテルになる可能性が高いとみられている。
政治的に安定している分、ニュースになることは少なく、常駐する海外の記者は多くない。そのため、秘密会談の場所としても好まれてきた。
2009年10月には、李明博大統領(当時)の側近である任太煕労相がシンガポールで、対韓外交を受け持つ北朝鮮の金養建氏と会い、首脳会談の可能性を探った。これは失敗に終わり、後にメディアに暴露されて、厳しく批判された。2015年に米朝の非公式会談が開かれたのもシンガポールだった。
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