「首都直下地震」はいつ起きてもおかしくない

「巨大地震や噴火」がなぜ各地で相次ぐのか

東京を中心とする関東地方の南部では、200年から400年に1度、この関東大震災と同じタイプの、プレートのズレによるマグニチュード8クラスの巨大地震が起こっています。1923年の前は1703年に起きた元禄地震で、間に200年ほどの期間があります(ちなみにこの地震のちょうど1年ほど前に、有名な赤穂浪士の討ち入りがありました)。関東大震災からまだ100年ほど経過しただけですから、「今度、首都圏を地震が襲うとしても、プレートのひずみがたまる2100年代に入ってからだろう」と考える地震学者は多数います。

沈み込んだ後のプレート内部でも地震は生じます。3と5のタイプですが、これらは「スラブ内地震」とも呼ばれています(沈み込み後のプレートは別名スラブともいいます)。プレートの境界ではプレート同士の摩擦のためにひずみがたまりますが、このときプレートの内部にもひずみはたまっています。南関東のマグニチュード7程度の地震5例のうち、4例はこのタイプの地震と考えられています。

また4のタイプは、関東の陸地やその下のフィリピン海プレートと、これらのさらに下にある太平洋プレートがこすれることによって起きる地震です。フィリピン海プレートは南から、太平洋プレートは東から沈み込んでいて、フィリピン海プレートの下に太平洋プレートが位置しています。2のタイプと同じく、プレート境界は大断層になっていて、ここでもひずみはたまっているのです。

東日本大震災の後、断層にかかる力の様子は変わった?

しかし東日本大震災のあと、プレート境界断層や内陸活断層にかかる力の様子は大きく変わったのではないかといわれています。このうち関東地方にタイプ2の地震を引き起こすプレート境界断層について少し詳しくみてみましょう。

関東地方におけるプレート境界断層の接着。陸側のプレートと海側のプレートが互いに強く接着している場所(斜線部分)が陸上の調査から推定された(イラスト:『日本列島大変動』より。ポプラ社提供)

地図などを作成している国土地理院は、日本各地で地面が年々移動している様子を調べていて、このデータからプレート境界断層の状態を推定しています。

それによると、房総半島の地下ではプレート境界断層を境にして陸側のプレートと海側のプレートが互いにがっちりと噛み合って、プレート同士がくっついた状態であることがわかりました。

海側のプレートが陸側のプレートを押し続けている状態であり、いずれはそこが震源となる巨大地震が起きると考えられています。

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また先ほども述べましたが、活断層のズレによって起こる直下型の地震は、いつ起こるかがまったくわかりません。元禄地震や関東大震災のタイプの地震の前には、マグニチュード7クラスの地震が何度か起きたことはよく知られています。

たとえば関東大震災前の100年間に、南関東地方ではマグニチュード7程度の地震が7回も発生しています。次のプレート境界地震が起きるまでまだ100年あるとすると、その前のマグニチュード7地震の発生時期にそろそろさしかかっていてもおかしくはありません。さらに、先ほど挙げた活断層のほかにも、首都圏の近くにひずみを蓄えた「未知の活断層」が眠っている可能性は十分にあると考えられているのです。

このような日本列島の大変動時代に、私たちはどう立ち向かえばよいのでしょう? まずは私たち自身がどんな地域に住んでいるかを知ることから始めましょう。地震危険度チェックリストを用意しましたので、ぜひご自身で調べてみてください。

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