トランプを揺さぶる「不倫用不正資金」の争点 「口止め料」は他の女性にも支払われていた?

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バラク・オバマ前大統領の下で倫理担当主任だったノーマン・アイセン氏は、「そうした支払いは何であっても、選挙に影響を及ぼす意図で支払われたのであれば、仮にトランプ氏の家族が困惑しないように守ることが動機であったとしても、選挙献金と見なされる」と述べた。

トランプ氏がその資金をコーヘン氏に払い戻す意図があったのであれば、大統領の金融負債の公開を要求された2017年度資産公開書で報告すべきだったと、アイセン氏は述べた。それらの負債を削除したことは、米国政府に対する意図的な虚偽の陳述を禁止する連邦選挙法に違反したことになると、ロイターに述べた。

家族を守るための支出?

ジュリアーニ氏は、コーヘン氏が支払った資金は、トランプ氏の家族を守るため、または、選挙運動には関係ないその他の個人的な理由のためであり、連邦選挙法に違反するものではないと述べた。

しかし、司法専門家の中には、追加の支払いのタイミングによっては、その議論が覆されるかも知れないとする者もいる。「選挙活動中に常習的にこの様なことを行ない、コーヘン氏がこうした問題を処理するために雇われたのだとしたら、これが選挙に関係ないものと議論するのは難しい」と、コーネル大学法律学部のジェンス・デイビッド・オーリン教授は述べた。

オーリン教授は、しかしながら、トランプ氏のコーヘン氏との雇用契約から金銭上の義務が発生したからといって、そのことを資産公開の際に開示すべきだったとは断言できないと述べた。「これがローンの返済に相当するかどうかは分かりません」。

オーリン教授は、資産公開リストからの削除は、通常、政府への虚偽陳述として刑事告発されるものではなく、民事的な罰則につながるものとも述べた。

執筆:ティモシー・ガードナー
追加記事:ドイナ・チアキュ、キャレン・ボーハン(ワシントン)、ジャン・ウルフ(ニューヨーク)
編集:ピーター・クーニー、サンドラ・メイラー

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