繊維の老舗、利益5倍の陰に地道な構造改革 小松精練、3年で株価2倍・利益5倍のなぜ?

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2018年3月期は第3四半期までの累計で、営業利益は前期比で6億6600万円改善しているが、内訳は数量効果6億2500万円と構造改革効果2億7400万円で、原燃料高騰(減益効果3億4400万円)などを吸収した形になっており、数量効果には前期の構造改革によって改善した生産効率が織り込まれている。

売上高を伸ばせるか?

利益水準の上昇とともに株価も3年で2倍になったが、PBR(株価純資産倍率)は5月7日終値ベースで1.32倍にとどまる。

2019年3月期も、欧州の高級婦人服向けやスポーツ衣料向けは、引き続き好調を維持できる可能性が高く、現状失速する要因は見当たらない。トップラインが切り上がれば構造改革効果にレバレッジがかかる。収益性のさらなる改善を市場が確信すれば、上値も切り上がるだろう。

永谷 薫 東洋経済 記者

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ながや かおる / Kaoru Nagaya

繊維、化学、小売りなどの業界を幅広く担当。

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