女性蔑視主義者「インセル」のヤバすぎる主張 トロント暴走事件の動機は性的欲求不満?
「チャド」「ステイシー」はインセルの使う用語で、性的に魅力があり、交際相手に困らない男女のことだ。エリオット・ロジャーは2014年にカリフォルニア州で、自身が童貞なのは自分を振った女性たちのせいであるとし、6人を無差別に殺害、多数の負傷者を出したあとで自殺した22歳の青年のことだ。インセルの世界ではときにERという略語で言及され、英雄視されている。
オンライン上の男性至上主義者の生態系
また、ニューズウィーク米国版によると、女性はfeminoidまたは foid と呼ばれることもある。女性を人間ではない humanoid「ヒト類似、ヒト型ロボット」と見なしているからだ。公民権非営利団体のサザン・パバティ・ロー・センターはインセルたちを「オンライン上の男性至上主義者の生態系」と分析する。
この動きは、ピックアップ・アーティスト(PUA)すなわち、セックスを最終目的とした心理作戦を提唱する、いわゆるナンパ師たちだと言われる。考案したテクニックが効かないことに腹を立て、その怒りを女性に向けるようになったという。
オンライン上のフォーラム、Reddit や4Chanなどに存在するインセルのグループでは、女性差別だけではなく、人種差別、同性愛者差別、フェミニスト攻撃などの意見が盛んに交わされている。グローブ紙によると、各グループに5000から9000人のメンバー登録があるという。
トロントでの事件後も、早速ミナシアンの行動を賛美する声が登場。若い女性の犠牲者1人につきビールを1杯飲む、などという書き込みもあった。
Metooムーブメントが世界的に拡大している矢先に明らかとなった、新たなミソジニスト(女性蔑視主義者)の世界は大きな衝撃を与えている。
(文:モーゲンスタン陽子)
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら