NEC、「国内2工場閉鎖」で生まれ変われるのか

リストラの一方、AI人材の囲い込みに動く

2018年3月期決算を発表する新野隆社長(左)。会見では危機感を強調した(記者撮影)

意外なほどマイルドな決算内容に、説明会に集まった記者の数も20人程度だった。

NECは4月27日、2018年3月期決算を発表した。コネクター大手の日本航空電子工業の子会社化や宇宙事業の採算改善などにより、営業利益は前期比約53%増の638億円と想定通りの着地だった。

今2019年3月期は営業利益500億円を計画する。構造改革費用として400億円を計上するものの、通信部門の改善や電極事業の売却効果などを見込み、2割程度の減益にとどまる見通しだ。

ただ、営業利益率はわずか1.8%。富士通の今期営業利益見通し1400億円と比べて大きく見劣りする。NECは現在、国内の間接部門やハードウエア事業を対象とした3000人削減など構造改革の真っ最中。同社の置かれている状況は、決算の中身以上に厳しいものがある。

茨城と一関の2工場閉鎖へ

構造改革費用400億円の中身は、3000人の削減に伴う費用が300億円。再編する国内生産拠点として、まず一関事業所と茨城事業所が決まった。閉鎖に伴う他工場への移管費用やリソースシフト費用、オフィスフロアの効率化などで100億円近くをかける予定だ。

茨城事業所(茨城県筑西市)はほとんど生産を行っておらず20人ほどしかいない拠点のため、それを引き上げる程度。だが、岩手県一関市にある一関事業所はネットワーク回線を使った通信機器を生産する拠点で従業員260人を抱える。かつては2000人が働いた主要拠点が、2018年度中に姿を消すことになる。

さらなる閉鎖はないのか。新野隆社長は「ここまで集約化してくれば、もうガラガラのところはなくなるし、いまのままでいけるのではないか」と、閉鎖2工場からの人員の移管を受ける宮城県や福島県の工場など、残る7工場の閉鎖・再編は当面ないとの見通しを示した。

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