「鉱山開発」こそが超有望な北朝鮮ビジネスだ 300兆円規模の埋蔵量を誇る宝の山に期待大

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地下資源の共同開発を含めた南北経済協力は、2007年に盧武鉉大統領と金正日(キム・ジョンイル)総書記との間で合意した、45項目の相当部分を占めている。当時進められた資源の共同開発事業は4件であり、鉱山の現場調査がなされたところもある。

韓国産業通商資源省は2003年に北朝鮮と合弁会社をつくり、黄海(ファンヘ)南道鼎村(チョンチョン)黒鉛鉱山の開発を始めた。同公社が665万ドルを投資し、北朝鮮は現物出資という形を取った。2007年に稼働し、2008年に黒鉛900トン、2009年には1500トンを生産して韓国へ送られた。しかし、韓国哨戒艦沈没事件が北朝鮮によるものとした韓国政府は2010年、北朝鮮への制裁となる「5.24制裁措置」を行うと、鉱山の稼働も止まった。

このほかにも、韓国の民間企業が石材鉱山や無煙炭鉱山に投資したが、すべて中断された。今後、経済協力が始まるといっても、鉱物産業の特性上、すぐに再開することは難しい。鉱物資源公社南北協力室関係者は「北朝鮮との合弁会社契約は2023年までで、まだ期間は残されているが、設備・施設がどれほどの状態なのかは、現地調査をしないとわからない」と打ち明ける。

北朝鮮は世界の鉱物標本室

鉱物資源公社南北資源協力室のイ・インウ室長は2017年9月、「北朝鮮の鉱物資源統計」を出版する際、2012年までに北朝鮮が発行した各種地下資源関連資料を分析した。これによれば、北朝鮮の鉱物資源の種類は石炭鉱1種、金属鉱22種、非金属鉱19種など42種。鉱山数は石炭鉱山241カ所、金属鉱山260カ所、非金属鉱山227カ所など728カ所だ。ただ、実際に北朝鮮にある鉱種は約500種で、経済性のある鉱物は、このうち20種類ほどだという。

エネルギー経済研究院などの資料によれば、タングステン、モリブデン、重晶石、黒鉛、銅、マグネサイト、雲母、蛍石が北朝鮮の8大鉱物だ。これらは埋蔵量が世界でも上位10位圏内あるという。特にマグネサイトは、ロシアと中国に続き、世界3位の埋蔵量。マグネサイトは溶鉱炉の材料である内火壁の製造に主に使われ、肥料の添加剤、製糸、科学試料、製薬などにも使われる。

このほかにも、鉄の埋蔵量は世界6位圏、タングステンと黒鉛は同4位圏であり、金の埋蔵量も8位圏だ。希土類はもちろん、コバルトもわずかであるが、産出する。コバルトは経済性が劣り、生産にまで至らない確率が高いが、北朝鮮がどれだけ豊富な地下資源を持っているかがわかるだろう。

南北による鉱物資源の共同開発が始まった場合、最も注目されるのは北朝鮮の代表的な工業地区である、瑞川(タンチョン)地区だ。日本海に面している同地区は、咸鏡(ハムギョン)南道と同北道の境にある。同地区内の剣徳(コムドク)鉱山は、北朝鮮最大の亜鉛の産地。龍陽(リョンヤン)・大興(テフン)鉱山は、埋蔵量で世界3位となるマグネサイトを採掘する。瑞川での共同資源開発協議は2006年に始まった。

韓国政府は瑞川を共同資源開発特区として造成することを提案し、2回目の南北首脳会談で共同開発に合意し事業に弾みがついた。鉱物資源公社は2007年に瑞川の主な鉱山の現地調査を行った。公社関係者によれば「当時現地調査した人材が今でも公社に勤務中」と言う。

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