フェラーリがSUV参入をもったいぶる理由 慎重に考えながらも準備は進んでいるはずだ

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幻の4ドアフェラーリ フェラーリ・ピニン(写真:Auto Speak Modena提供)

フェラーリにおいて2ドアか4ドアか、という問題はそう単純なものではなく、いわば企業理念とでもいうべき問題だが、それでも4ドアスーパーカー、SUVの投入は検討事項にならざるをえない。

GTC4ルッソも洗練された実用性の高いクルマであるが、実際の購入になると2ドアであることに二の足を踏む顧客も多いと聞く。このプラットフォームを流用し、ドアをもう2枚追加すれば立派なSUVになるのだが、フェラーリの言うところの“FUV”ではこのリアのドアに関して、彼ららしいこだわりがあるようだと関係者は語る。

フェラーリの開発陣も楽ではない

フェラーリの4ドア化に際しては、スタイリッシュであり、顧客をあっと驚かせるような仕掛けが必要であろう。フェラーリの開発陣も楽ではないのだ。

そんな難しさはあるものの、私はフェラーリのFUVが発表されるのはそう先のことではないと踏んでいる。皆は、そんな私のコメントにこんな反応を示す。

「ランボルギーニがSUV(ウルス)を出したから負けていられないしね」と。いやいや、そうではないのだ。フェラーリが究極のライバルと考えるのは、ラグジュアリーさにおいて、誰もがそのブランドを認めるロールス・ロイスであろう。

ロールス・ロイス「カリナン(CULLINAN)」(写真:ロールス・ロイス提供)

そのロールス・ロイスまでもが、遂にSUVの発売をアナウンスした。フェラーリのマルキオンネたちも、“ロールス・ロイスがやるのだからフェラーリもそろそろいいのではないか”、と考えるのではないか。それが私の想像するSUV解禁、いやFUV解禁説の根拠なのだ。

越湖 信一 PRコンサルタント、EKKO PROJECT代表

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えっこ しんいち / Shinichi Ekko

イタリアのモデナ、トリノにおいて幅広い人脈を持つカー・ヒストリアン。前職であるレコード会社ディレクター時代には、世界各国のエンターテインメントビジネスにかかわりながら、ジャーナリスト、マセラティ・クラブ・オブ・ジャパン代表として自動車業界にかかわる。現在はビジネスコンサルタントおよびジャーナリスト活動の母体としてEKKO PROJECTを主宰。クラシックカー鑑定のオーソリティであるイタリアヒストリカセクレタ社の日本窓口も務める。著書に『Maserati Complete Guide』『Giorgetto Giugiaro 世紀のカーデザイナー』『フェラーリ・ランボルギーニ・マセラティ 伝説を生み出すブランディング』などがある。

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