くみ:逆に、私はフランスに来て驚いたのは、これだけレディファーストがマナーとして根付いているのに、フランス人の男性に誘われてご飯に行ったり飲みに行くと、学生から社会人まで、割り勘が圧倒的に多いこと。
日本では学生同士でも、特に付き合っていなくても、なんとなく男性がごちそうしてくれたり、多めに出してくれたりしたけれど、フランスでは、たとえ気がある女性を誘う場合も割り勘だったりするわよね。父親ほど年齢の離れた上司とランチに行っても、当然のように割り勘だったときも驚いたわ。
フランス人男性がやってしまうこと
エマニュエル : 確かに、レディファーストの紳士的なイメージと割り勘は日本女性にはギャップを感じるかもね。でもこれは、単純に男女平等の精神からフランスの女性側がつねにおごられることをよしとしないからだと思う。
それに男性に払ってもらうのは、どこかおカネで買われているというと言いすぎかもしれないけど、そういった心地の悪さがあって、各々で支払いを済ませるほうが男女の関係において金銭的な貸し借りによる圧力みたいなものを感じないでいられるのでいいと思っている人が多いからなんだろうね。
ギャップといえば、フランスの男性にはレディファーストの精神とは真逆な側面も日常生活の中でよく見られると思うんだけど、くみはどう思う?
くみ : ……と言うと?
エマニュエル : たとえば、会社のオフィスで4人の男性社員と1人の女性社員が仕事をしているところに、別の部署のきれいでプロポーションの良い女性が用事で入ってきたとする。