元のサヤには収まらない「国民民主党」の茨道 有力議員が離反、残っている議員も呉越同舟

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「希望の党がわれわれに合流してくる。われわれが“本家”だ。それを忘れてはいけない」

「“国民党”という名称が納得できない。日本国民だけなのか。それでは在日外国人は切り捨てていいということなのか」

「台湾では“国民党”は右派政党だ。我々がそのような名前を用いていいのか」

民進党も国民民主党に移行する際には相当数の離党者を輩出することになりそうだ。

立憲民主党の支持率が上がる可能性

「民進党と希望の党の一部が一緒になったからといって、政党支持率はさほど上がらないのではないか」。ある元民進党議員はこのように指摘する。確かに国民民主党結党に際して相当数の議員が立憲民主党に移動すれば、野党第一党としての立憲民主党の地位は不動となり、支持率も上昇するかもしれない。

一方で国民民主党が野党第一党になるのは相当厳しい。少なくとも、この先にさまざまなチャンスに恵まれているとは言い難い。文字通りの茨道(いばらみち)が待っているといえる。

いったん別れた際に生じてしまった隙間を埋める努力も必要になる。立憲民主党との差異も明らかにしなければならない。それこそが政党としてのアイデンティティを確立することに繋がるからだ。

4月26日に交わされた「合意書」には、次のように書かれている。

私たちは現在の異常な政治状況を深く憂慮している。現政権との対立軸を明確に示し、健全な国会活動を通じて国民の新たな選択肢となり、現在の状況を打開することを、国民各位に約束する。

政治の混乱の原因はすべて与党にあるわけではない。そういう意味で、国民民主党はこれからの方針をどう決めていくのか。健全な保守系野党が存在していることは、「異常な政治状況」を脱却するカギといえるが、国民民主党は果たしてその役割を担えるのだろうか。

安積 明子 ジャーナリスト

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あづみ あきこ / Akiko Azumi

兵庫県生まれ。慶應義塾大学経済学部卒。1994年国会議員政策担当秘書資格試験合格。参院議員の政策担当秘書として勤務の後、各媒体でコラムを執筆し、テレビ・ラジオで政治についても解説。取材の対象は自公から共産党まで幅広く、フリーランスにも開放されている金曜日午後の官房長官会見には必ず参加する。2016年に『野党共闘(泣)。』、2017年12月には『"小池"にはまって、さあ大変!「希望の党」の凋落と突然の代表辞任』(以上ワニブックスPLUS新書)を上梓。

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