日産が中国で描く「EVシフト」急加速の野望 シルフィ・ゼロエミッションなど6車種投入へ
明らかに成熟期に達した中国市場
場内は多くの人で混みあっているのだが、場の雰囲気としてあまり活気を感じない――。
それが、オートチャイナ2018(通称、北京モーターショー:2018年4月25日~5月4日)の報道陣向け公開日における率直な感想だ。
過去20年近く中国各地で自動車産業を取材してきたが、需要が年間2000万台を超えてさらなる高みを目指す世界最大の自動車生産・販売国となった中国市場はいま、大きな転換期を迎えていると感じる。
会場内で目立つのは、やはりEV(電気自動車)だ。
中国政府は2019年からEV、プラグインハイブリッド車、燃料電池車などの電動車の販売台数を自動車メーカー各社に求める新エネルギー車規制法(通称NEV法)を施行する。
そうした自動車メーカーにとっての義務を果たすため、モーターショーでEVの出展が増えるのは当然だ。
なかでも目を引くのは、NIOなどの中国地場EVベンチャーだ。技術開発が主体というイメージではなく、大きな投資マネーがうごめいており、今後の安定した事業の継続性についてはいささか疑問が残る。要するに、EVバブルっぽいのだ。
もう1点は、中国地場大手や中堅メーカーの展示の内容がおとなしくなってきたことだ。特に印象が深かったのが、吉利汽車。同社はスウェーデンのボルボの親会社で、またダイムラーの筆頭株主でもあるが、自社の広い展示スペースでの出展は地味なのだ。自らのハードウエアで勝負することよりも、投資家としての位置付けが強い。
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