日産が中国で描く「EVシフト」急加速の野望

シルフィ・ゼロエミッションなど6車種投入へ

さらに言えば、中国では滴滴(ディディ)を筆頭としたライドシェアリングの本格化や、新車のEC(電子取引)販売などが他国に先んじて進み始めている。そこには、BATと呼ばれるバイドゥ、アリババ、テンセントという中国IT御三家の存在が大きいのだが、クルマというハードウエアを陳列するだけのモーターショーでは、そうしたIT系企業の実態を垣間見ることはできない。

 中国市場で日系トップの日産の動向は?

そんなオートチャイナ2018で、将来事業について積極的にアピールしたのが、ルノー日産三菱アライアンスの動きだ。その中核となる日産は日系メーカーで中国シェアナンバーワンを誇る。

今回、日産の目玉は、リーフと電動系コンポーネンツを共通化するEVセダンの「シルフィ・ゼロエミッション」だ。リチウムイオン二次電池を中国大手から調達し、モーターやインバーターも中国国内で生産するなどメイドインチャイナに拘ることで、コスト低減と中国政府に対するアピールを狙う。

シルフィ・ゼロエミッションはリーフのEVコンポーネンツを活用。充電装置もリーフと同じ(筆者撮影)

日産の中国専用ブランドであるヴェヌーシアでは、これまでの”日産の廉価版”という商品イメージとは大きく違う、上級SUVのコンセプトモデル「The X」を公開し、また高級ブランドのインフィニティではSUVシフトが進む中国市場向けとして「QX50」の販売促進を強化する姿勢を見せた。

こうした日産の中国戦略は、2017年11月にグローバル市場向けとして発表した6年間の中期経営計画「M.O.V.E. to 2022」が基盤にある。具体的には2018年2月に日産と中国地場大手の東風汽車の合弁企業・東風日産の中期経営計画「DFL トリプル・ワン・プラン」に沿った動きだ。

オートチャイナ2018の会場内の様子(筆者撮影)

同プランによると、2022年までに、販売台数でヴェヌーシアとインフィニティを現在の3倍、また小型商用、ピックアップトラックなどを現在の2倍にするなど、日産・ヴェヌーシア・インフィニティの3ブランド合計で現在の152万台から100万台以上の拡大を目指す。

EVについては、2018年と2019年で合計6つの新型モデルを登場させる予定で、シルフィ・ゼロエミッションはそのうちのひとつだ。さらに、日本でもノートやセレナに採用して販売を伸ばしている「e-Power」を含めて2022年まで合計20モデルの電動車を投入し、中国市場向け全体の30%を電動車とする計画だ。なお、この中にプラグインハイブリッド車は含まない。

日産のEVシフトはグローバルで見て、当面の間は中国市場が主役となることは間違いない。

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