日産が中国で描く「EVシフト」急加速の野望 シルフィ・ゼロエミッションなど6車種投入へ

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インフィニティの記者会見の模様(筆者撮影)

日産中国事業の幹部に聞く

オートチャイナ2018年の報道陣公開日の午後、東風日産など日産の中国事業に関わる幹部と日系メディアとの意見交換会が開かれた。

以下、参加した報道各社の質問と日産側の回答を抜粋して紹介する。 

――中国政府が打ち出した、自動車産業における中国地場と海外メーカーとの合弁事業に関する規制緩和や、米中における政治的な協議での自動車関税の引き下げにどう対応するか。
中国政府の今後の動きを注視しながら、東風日産としての中期経営計画を着実に進めていく。
――東風汽車以外との中国地場メーカーとの連携の可能性は?
東風汽車とは過去15年間で累計1500万台を製造販売しており、これからも良好な関係を築く(他社との連携の可能性についてコメントはなし)。
――販路について、EC(電子取引)を今後、どのように活用するか?
東風汽車の直轄事業として、車巴巴(チェーババ)を運営し累計で9万4000台を販売してきた。今後はECの重要性は増すと考えており、新たなる事業化を検討中。 
――滴滴(ディディ)を中核とするライドシェアリングのアライアンスに加盟したが、今後の中国でのシェアリングエコノミーにどう対応するのか?
ディディ内部には自動車の共有化を研究するチームがあり、自動車メーカー各社がディディとの協業を検討している。東風日産としてもディディとの協議を始めたが、現時点で具体的な内容まで踏み込んでの議論になっていない。ディディにはすでに、各メーカーのモデルを使ったレンタカー事業があるが、その中で東風日産のシルフィとティアナの採用台数が多い。
――2022年までに、中国での販売台数を現行比で100万台増とするために重要なことは何か?
市場の変化が早い中国で、市場のニーズをしっかりと把握すること。その上で、(電動化、自動運転化、コネクテッド化を基盤とした)日産インテリジェントモビリティをタイムリーに顧客に届けること。

中国のNEV対応を念頭に新設された、EV開発の新会社であるeGTニューエナジーオートモーティブ社についても質問が上がったが、特に詳細なコメントはなかった。加えて、現状ではNEV法にe-Powerは該当しないことと日産は承知している旨の発言があった。

いま、大きな変革期を迎えた中国市場。日産の動きは今後も日系自動車メーカーの変化のバロメーターとなりそうだ。

桃田 健史 ジャーナリスト

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ももた けんじ / Kenji Momota

桐蔭学園中学校・高等学校、東海大学工学部動力機械工学科卒業。
専門は世界自動車産業。その周辺分野として、エネルギー、IT、高齢化問題等をカバー。日米を拠点に各国で取材活動を続ける。一般誌、技術専門誌、各種自動車関連媒体等への執筆。インディカー、NASCAR等、レーシングドライバーとしての経歴を活かし、テレビのレース番組の解説担当。海外モーターショーなどテレビ解説。近年の取材対象は、先進国から新興国へのパラファイムシフト、EV等の車両電動化、そして情報通信のテレマティクス。

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