男が受けるセクハラ被害が軽視される不条理 男女を問わず、からかわれたり強要されたり

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“いじる側”はほんの遊びのつもりでも、“いじられる側”は深く傷ついていることはよくある。

話を聞いた中には、セクハラにならないよう非常にセンシティブに言動を選んでいる女性もいた。

「たとえば生理の話をしたりするだけで、すごい動揺する新人男性社員もいます。ポケットティッシュを渡したら、すごく憤慨されたこともあるのですが、理由を聞くと『ティッシュに風俗の広告が入っていた』と。人によって腹の立つポイントは全然違うので難しいですね」

女性から男性へ性的関係の強要もある

このような繊細な対応もある一方、「男性が女性にする代表的なセクハラ」をまったく逆にしたセクハラも多く耳にした。立場を使った性的関係の強要である。

「大学時代、広告会社でバイトをしていたのですが、夜遅くなるとマネジャー(女性上司)が家までタクシーで送ってくれるようになりました。ある日、家までついてきて、なし崩し的に肉体関係になりました。『断ったらどうなるかわかってるよね?』という脅しもあり、たびたび関係を持ちました。

最終的には当時付き合っていた彼女と自宅でバッティングしてケンカになり、彼女とは別れ、アルバイトも辞めました。卒業したら正社員にならないか、と誘われていた会社だったんですが……」(30代男性)

ほかにも真偽のほどは定かではないが、マスコミ関係の業界を中心に似たような話をいくつも聞いた。少し探っただけで、非常にたくさんのセクハラ経験談、目撃談が出てきた。

男性も同性や女性からセクハラの対象になるケースは間違いなくあるのだ。男性が自らの経験を語ったり共有したりすることや、#MeTooの活動に興味を持つことは決して間違ったことではない。

村田 らむ ライター、漫画家、カメラマン、イラストレーター

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むらた らむ / Ramu Murata

1972年生まれ。キャリアは20年超。ホームレスやゴミ屋敷、新興宗教組織、富士の樹海などへの潜入取材を得意としている。著書に『ホームレス大博覧会』(鹿砦社)、『ホームレス大図鑑』(竹書房)など。

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