今週は1ドル97円50銭~99円台後半

米デフォルト不安は解消したのか?(為替見通し)

先週10月10日、ベイナー下院議長率いる共和党は債務上限を6 週間引き上げる提案をオバマ大統領に行った。市場は楽観色を強め、ニューヨークダウ平均株価は直近安値から500ドルを超えて反発した。

ただ、米財務省短期証券(TB)の利回りは高止まりを持続。従来0.05%以下で安定していたTB1カ月物利回りは今月に入って急上昇し、先週は一時0.3%台半ばに達し、0.2%台半ばで州を越えた。2011年夏の米国債格下げショックや2012年秋に「財政の崖」への不安が高まった時もTB 利回りは急上昇したが、まだ、その時の水準を超えている。

米政府の資金繰り、なお、来月以降への警戒感

TB3カ月物利回りも週末にかけて緩やかな上昇を継続。まだTB 市場は、今月末は乗り切っても、来月以降のどこかで米政府の資金繰りが限界に達することへの警戒感をくすぶらせているようだ。

興味深いのは、今回このようにTB 利回りが上昇する中、LIBOR など銀行間取引金利が低下基調をたどってきたことだ。例えば、LIBOR1 ヵ月金利は史上最低水準を更新し、現在0.17%台に低下中。TB 利回りと逆転し、スプレッドは過去始めてプラスからマイナスに転じた。投資家や金融機関が余剰資金の運用がTB から銀行預金などに切り替えていることを暗示する。

市場は現段階では銀行の資金繰り破綻など金融パニックはまったく想定していないということだろう。逆に、TB 利回りだけでなく、銀行間取引金利も上昇を始めた場合、金融パニックの前兆と捉える必要が出てくる。この時は銀行システムからも資金が流出。その分、流通現金(米ドル紙幣)への需要が膨らむはずだ。当面、その兆候がないかFRB(米国連邦準備制度理事会)の 統計にも目配りが必要であろう。

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