「96敗」のヤクルトが今シーズンに懸ける再起 どん底状態の暗闇に差し込む一筋の希望の光

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「96敗」を喫した理由はいくつもある。攻撃陣では川端慎吾、畠山和洋、雄平ら、主軸を担う選手たちが相次いで故障。投手陣では秋吉亮が6月末に右肩甲下筋の肉離れで約2カ月間の戦線離脱。9月には小川泰弘、星知弥がいずれも右ひじを疲労骨折した。期待の助っ人・オーレンドルフは1勝もできないまま、シーズン途中帰国。ローテーションは早々に崩壊していた。

さらに、それを埋める選手層が極度に薄かったことは致命的だった。戦線離脱している主力に代わって起用され続けた若手、中堅選手たちはいずれも思うような成績を残すことはできなかった。選手層の底上げに関しては一朝一夕で解決できる問題ではない。だからこそ、「これからしばらくの間、暗く重苦しい低迷期が続くのでは……」と、関係者も、そしてファンも危惧していた。

しかし、そんな暗いムードを一気に吹き飛ばす朗報がヤクルトにもたらされた。キャンプイン直前の電撃ニュース。そう、現役メジャーリーガー・青木宣親の古巣復帰である。真っ暗闇の中に差し込んだ、一筋の光明。それはまさに「希望の光」だった。

青木の加入がもたらしたさまざまなオプション

青木宣親の加入によって、まずは「レフト・バレンティン、センター・青木」が固定された。幸いにして、昨シーズンは故障に苦しんだ選手たちも戦線に復帰してきたため、雄平、坂口智隆、そして山崎晃大朗らによる外野手争いは熾烈を極めることとなった。その流れを受け、出場機会を求めて坂口がファーストへコンバートされ、外野と兼任することになったのも、「青木加入」がもたらした新しいオプションだった。

もちろん、日本で3度の首位打者に輝いた青木の復帰は打撃陣にさらなる厚みを持たせることにもなった。2006年に盗塁王に輝いた青木は1番も打てるし、主軸としてクリーンアップを任せることもできる。青木の入団を伝える1月30日付のスポーツ新聞でも、予想オーダーについて、日刊スポーツには「3番・青木」とあり、サンケイスポーツでは「1番・青木」と報じられていた。

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