「96敗」のヤクルトが今シーズンに懸ける再起 どん底状態の暗闇に差し込む一筋の希望の光
4月19日の試合終了時点で、ヤクルトは18試合を戦い、8勝10敗という成績を残している。この成績をどのように評価するかは意見の分かれるところだろう。「去年のことを考えれば善戦している」ととらえる意見もあれば、「本当に強くなるにはまだまだ時間がかかるものだ」と考える人もいるだろう。青木自身の成績は打率.262、0本塁打(4月19日時点)と、いまだ本領を発揮している状態ではない。
それでも――。
昨年の屈辱を経験しているファンの一人として勝手な意見を述べさせてもらえるならば、「それでも、今年は希望の光に満ちている」と、あえて言いたいと思うのだ。4月6日から8日にかけての読売ジャイアンツ戦では文句ない戦いぶりで3連勝した一方、10~12日の中日ドラゴンズ戦、17~19日の広島カープ戦では、なすすべもなく3連敗を喫した。勢いのあるときは、相手を寄せつけずに完勝するものの、勢いを失ってしまうと手も足も出ずに完敗する。
変わろうとするチーム
それは「大味な試合」だと言えるかもしれない。本当に強いチームであれば、いやらしく緻密な野球で、たとえ苦戦を強いられたとしても、何とか勝利をつかみ取ることができるはずだ。
しかし、今のヤクルトはまだまだそんなチームではない。それでも、チームは何とか変わろうとしている。チームスローガンである「再起」を目指して奮闘している。
チームを立て直すための特効薬はない。すぐに結果が出るものではないということを理解したうえで、今年のヤクルトの戦いぶりに注目したいと思う。
冒頭に紹介した石川の言葉に反論するわけではないけれど、「これ以上、どん底に落ちることはない」と信じたい。そして、その中心にいるのは、チームの精神的支柱であり、攻守の要となる青木宣親であると思いたい。青木が完全に復調したとき、そのときこそ、今年のヤクルトが希望の光に包まれる瞬間なのだと、僕は信じている。
(文中敬称略)
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