(第17回)大学1年から読んでもらいたい!~究極の自己分析~

 「新卒人材に求める資質」は各社極めて似通っている。曰く、PDCAサイクルを回すことができる自律型人材、論理的思考に長けている人材、素直で地頭がいい人、何かひとつ譲れない信念を持っている人…etc
 求められる人材が似通ってしまっているために、「いきいきと活躍できる就職先」を見つけるには、まず学生である皆さん自身が、きちんと自分の力を知り、企業を知り、企業に対して適切にPRしていくことが重要なのだ。そうしないとすべての能力が総合的に高い人(だけ)が企業に採用されることになる。
 自分自身を適切にPRしていくために必要になってくるのが「自己分析」だ。

 3年以内に退職する人の割合が3割を超え、現在も増え続けている、という事実が、少し前にたいへんな話題となった。
 採用活動の問題、学生のマインドの変化が3年以内退職者層の増加の元凶のように語られることが多いが、私は企業の合理的な「活動の結果」に過ぎない、と考えている。需要が飽和し、市場が厳しくなれば、企業は生き残りをかけて、人材の雇用と育成を短期的に見るようになる。雇用した人材が、採用時に期待していたような力を発揮しない場合、自然とプレッシャーを与えるような環境ができあがってしまっているのだと思う。

 結果として、長い目で見れば能力が開花したかもしれない人材、部署が異なれば活躍したかもしれない人材も、別の機会を与えられる前に、会社を追い出されてしまうことが少なくないのだろう。企業も生き残りに向けて必死なのだから、それは仕方がない。
 企業にとっても、自分にとっても働くことが喜びであるような、ハッピーな結果を生み出すためには、「自分が最高に力を発揮できる環境を知り、そこで全力で働いて成果を出す」
 これ以外にないと思うのだ。

 幸いなことに、現在の雇用市場には大きな救いがある。それは、インターンシップ制度導入正業の増加だ。人気企業であれば、インターンシップ生に選ばれるだけでも大変なことだと思うが、人気企業でなくとも、自分を受け入れてくれる会社でまずは働いてみると良いのではないだろうか。働いて初めてわかる、「自分の強み、弱み」がある。社会人とふれあうことで、社会のルール、企業のルールがわかってくる。いずれも、頭の中で考えているだけではなかなかわからないことなのだ。

 究極の自己分析は、「社員同様に、時間をかけて、試行錯誤を繰り返し、働いてみること」これに尽きると思う。
 本命の企業でなくてもいい、実際に働き、社会人とふれあったり意見をもらうことで、あなた自身の企業選びの軸や強みもきっと今より定まることだろう。

 今からでも遅くない。実践してみて欲しい。

福井信英(ふくい・のぶひで)
慶應義塾大学在籍中にジョブウェブと出会い、インターンシップ生として働き始める。
大学卒業と同時に(株)日本エル・シー・エーに就職。経営コンサルタントとして、学校法人のコンサルティングに取り組んだことをきっかけに、2003年3月に(株)ジョブウェブに転職。
現在、新卒事業部の事業部長として、企業の採用活動のコンサルティングや学生を対象とした各種リサーチ、教育研修コンテンツの作成に取り組む。
1977年生まれ。富山県出身。
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