中央線「グリーン車」導入に立ちはだかる難問

東京駅での短時間折り返しをどう実現するか

中央快速線にグリーン車が2023年度末に導入される(写真:HAYABUSA / PIXTA)

多くの人から歓迎の声が聞かれた「2020年度に中央快速線にグリーン車を連結させる」という構想は、昨年3月に延期が発表され、期待していた人々を落胆させた。しかし、それから約1年後の4月3日、2023年度末の導入を目指すことが発表された。

グリーン車の清掃は時間がかかる

中央線グリーン車連結構想の概要は、現状の快速電車の10両編成の東京寄り4~5両目に2階建てグリーン車2両を挿入して12両化するというものである。各駅のホーム延長工事を行い、東京駅での短時間折り返しのためにグリーン車を両開きドア構造として乗降性を改善するほか、グリーン車1両に小型トイレと隣接する普通車両1両に大型トイレを設置する。トイレ設置は運行時間が比較的長くなった中央線電車にしては歓迎できるが、現状と同時間の東京駅短時間折り返しが維持できるのか疑問が残る。

新宿湘南ラインや上野東京ラインの高崎駅、熱海駅のホーム発着折り返しでは即座に係員が乗車していすの回転や車内清掃を実施している。一般車の車内清掃は短時間で済むものの、グリーン車の利用者は一般車の乗車が開始されても整備待ちでしばらくホーム上で待たされ、発車直前に乗車となるあわただしさである。

降車は車内階段などで通常車両より時間を要するし、停車前から階段部分に待機することは転倒防止の観点から危険である。降りる客が少ないならまだよいが、東京駅到着時には多数の客が降車するのでかなりの時間を要し、降車後のいす回転や清掃を考慮しても現状の折り返し時間よりは長い整備時間が必要となろう。単に両開き扉化だけで改善できるのか懸念が残る。折り返し時間が増加した場合にはホームを増設するか、あるいはグリーン車連結の代償にライナー列車の廃止や減便を行わなければ運転間隔の拡大や列車減便が懸念されることになる。

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