音楽配信スポティファイ、「お得感」は2兆円?

統計には決して載らないデジタル化の衝撃度

スポティファイが生み出している価値とは?(写真:martin-dm/iStock)
音楽や本などのコンテンツがデジタル化されると、複製コストがほぼゼロになるため、価格が劇的に低下する。消費者は、それらがアナログだった時代と同じように楽しめるが、価格が安くなっているので、昔と比べて大きな「お買い得感」を得ている。
その「お買い得感」を野村総合研究所(NRI)が試算したところ、たとえばスポティファイという音楽配信企業の場合、全世界で約2兆円に上るという。
デジタル資本主義』はこうした数字が何を意味し、デジタル化が進むと経済社会はどうなるか、という疑問を解き明かす。

音楽配信はCD購入よりどれだけお得?

スポティファイを例に、デジタル化による消費者の「お買い得感」を試算してみたい。

スポティファイは、スウェーデン発の音楽配信企業だ。消費者は有料ユーザーになるか、無料ユーザーになるかをまず選ぶ。有料ユーザーは毎月980円(米国では9.99ドル)の定額料金を支払うことで、4000万曲近くにアクセスすることができ、ダウンロードも可能である。

『デジタル資本主義』(書影をクリックすると、アマゾンのサイトにジャンプします)

無料ユーザーも同じく4000万曲近くにアクセスできるが、ダウンロードはできず、数曲に1回は強制的にCMが流れる。

2017年6月時点で、同社のアクティブユーザー数は全世界で1億4000万人、うち有料ユーザーは6000万人だという(同社ホームページより)。

スポティファイには2つの事業がある。本業の音楽配信と、広告主に対するCMスポット販売である。それらの事業が消費者と生産者、すなわちスポティファイ自身に何をもたらすかを考えてみよう。

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