トランプ大統領の「対中国戦略」はバレバレ? 「米中貿易戦争」で一儲けを企む投資家たち

ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

キアバロン氏などは、依然として今年はS&P総合500種<.SPX>が大きく上昇するとの見方だ。

「今のところ、話が出ているのは、特殊な輸入品への少額関税だ。割安なバリュエーションを捉えて投資を始める機会を探している人には、今がそのチャンスだ」と、ランデンバーグ・サルマン・アセット・マネジメントのフィル・ブランカート最高経営責任者(CEO)は言う。

ディールなるか

「トランプ氏は、素早く攻撃的に、かつ一方的に動いてきた。それにより、中国を交渉のテーブルに引っ張り出した」と、イベントシェアーズのベン・フィリップス最高投資責任者(CIO)は言う。「私は、中国が、トランプ氏が一方的に行動して中国経済に損害を与えることを心配していると本当に考えている」

米国の多国籍企業に打撃を与え、今年施行された大型法人減税の恩恵をかすませる恐れがある貿易戦争への懸念は、2月末以降S&P総合500種を4%近く下落させた。

トランプ政権は、3750億ドルの対米貿易黒字のうち1000億ドルを即座に削減するよう中国に要請。これを、長い交渉の糸口を開かせるための作戦と見る向きもある。

中国はこれに対し、米国の多国籍企業や、2016年の米大統領選でのトランプ氏勝利に貢献した地方の農家をターゲットにした関税措置で対抗する可能性がある。

トランプ氏の貿易相手国に対する好戦的な対応は、1987年に発表した著書「トランプ自伝―不動産王にビジネスを学ぶ(Trump: The Art of the Deal)」で説明した交渉スタイルを反映していると、ブルダーマン・アセット・マネジメントの首席市場ストラテジスト、オリバー・パーシェ氏は言う。

「何かとんでもないことをまず提案する。それから後退すれば、こちらが要求するものは恐れていたほど痛くなくなる」と、パーシェ氏は分析。「問題は、相手もバカではないことだ。いずれ、手の内を知られてしまう」

    (Noel Randewich、翻訳:山口香子、編集:伊藤典子)

ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

関連記事
トピックボードAD
マーケットの人気記事