いじめの認識が甘すぎる小中学校にモノ申す 「ウチにはない」と言う教師は信用できない

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これを読んでいる保護者の中にも過去に、教師から「うちの学校にはいじめがありません。だから、安心してください」と言われた経験のある人もいるだろう。しかし、これまで説明したような学校や教育委員会の態度を知ると、「いじめがない」わけではなくて、「いじめを正確にキャッチしていない」のが現実であるとわかる。

どうすれば子どものいじめ被害をキャッチできる?

いじめをキャッチできない現状を改善するために、当事者たちは何をすればいいだろうか?

まず学校や教育委員会は、早く現行の定義を受け入れ、いじめの早期発見に努めてほしい。たとえば匿名でのいじめに関するアンケート調査を実施すると同時に、いじめの定義や事例などを紹介する予防教育に努めるべきだろう。また、いじめ被害者にも何か原因があるに違いないという考え方を矯正する必要もある。

そして保護者には、単に子どもと過ごす時間を増やすとか、会話を増やすというようなことでは十分ではないと知ってほしい。そうした時間や会話は関係の良化には重要である。しかし、子どもはなかなか親に本心を明かさないものである。特にいじめのような、センシティブな話題の場合は。

実際、私のところに相談に来るいじめ被害者の中には、保護者にはまだ打ち明けていない子が大勢いる。その理由を尋ねると、「心配をかけるから」「余計な手間を取らせるから」「迷惑をかけたくないから」といった答えがだいたい返ってくる。そういう子に「親の役目って、なんだと思う?」と尋ねると、「子どもに代わりに生活費を稼ぐ」「家事をする」といった答えが大半である。

そうした子どもに出会った場合、私は「親は子どもから迷惑をかけられたり、世話を焼かされたりすることも役割の1つ。自分がどれだけつらいかということを打ち明けても迷惑だと思う親はいないと思うよ」と諭すようにしている。

子どものいじめを不安に思う親は、「子どもに余計な気を使わせていないか」「家族同士で気軽に話しかけづらい雰囲気になっていないか」、自問自答してほしい。

阿部 泰尚 原案・シナリオ協力

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あべ ひろたか / Hirotaka Abe

1977年、東京都生まれ。T.I.U.総合探偵社代表。2004年からいじめ相談を無料で受け始める。著書に『いじめと探偵』(幻冬社新書)など。メールアドレスはanshin@go-tiu.com

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