「1年以内に辞める若者」が続々生まれるワケ 3年よりもっと早くに辞める心理

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確かに入社1年以内に辞めてしまうのは残念すぎる結果です。ただ、そうした残念なことが全国の職場で当たり前のように起きています。以前から新入社員は3年で3割が辞めると言われていますが、実は1年以内に結構な数の人が辞めます。厚生労働省の調査によると入社社員は1年以内で約5万人、つまり「10人に1人」が会社を辞めています。しかも、この傾向は長年続いています。この早期退職は会社にとっても、新入社員にとっても大きな機会損失です。

新入社員が辞めてしまうのは…

なぜ入社1年以内で10人に1人の新入社員が辞めてしまうのか? 社会人の先輩社員からすれば石の上にも3年でありませんが、不平不満を感じても我慢するべきといいたいところ。筆者も新入社員時代は辞めたいと思ったことが何度もありました。環境の変化や上司・先輩の厳しい指導など、入社時点での期待とのギャップには心が折れそうになったことを思い出します。

ただ、そうしたギャップも、入社1年くらいかけて受け入れていきました。こうして1年以内の退職は回避されたのですが、やはり中には辞めてしまった同期もいました。1年以内に退職しなければならないほど、耐え難いことがあったのでしょうか?

ちなみに対象を20代に広げて退職理由をインタビューしたことがあります。多かった理由は職場での「人間関係」でした。何年間か勤務して職場の雰囲気もわかってきて、合わない……と感じての決断なのでしょう。ただし、会社に伝えた退職理由は「結婚」や「家庭の事情」。家庭の事情と言われてしまうと会社側も踏み込みにくいから。大人の人間関係と気配りを垣間見ることになりました。

ところが入社1年以内の若手社員に限ると、少々違うようです。エン転職による退職理由の調査で25歳までの若手社員は「やりたい仕事ではなかった」(25歳以下:31%、全体:16%)と「ミスマッチと断定した」からという理由が突出しています。まさに会社を見切ってしまったということ。

寄せられたコメントを見てみると「お客様のことをまったく理解していないと感じ、私に合わないと思った」「自ら考えて自発的に行動することは許されなかった」「ルーチンワークで飽きてしまった」など。おそらく最初に配属された職場の仕事で、この会社での将来を“見切って”しまったのです。人生の先輩たちからすれば早すぎる判断に思えてしまうのですが、果たして新入社員の見切りは正しいのでしょうか?

人生の先輩からすれば1年以内に辞めて大丈夫なのか? と心配になりますが、見切れる背景があるようです。それは(学生時代の)就活のやり直しともいえる転職市場=第二新卒市場が醸成されているからです。

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