日経平均株価は大幅続伸、「高値引け」で終了 貿易戦争や証人喚問への過度な警戒が後退
[東京 27日 ロイター] - 東京株式市場で日経平均は大幅続伸し、高値引けとなった。米中貿易戦争への過度な懸念が後退し、前日の米国株が急反発したことを受け、買い戻しの流れが優勢となった。佐川宣寿・前国税庁長官の証人喚問での発言内容が市場の想定の範囲内だったことや、米株先物や上海株の上昇も支えに550円超高となり、今年2番目に大きい上げ幅となった。
TOPIXは前日比2.74%高。東証33業種全てが上昇。値上がり率トップは石油・石炭で、ガラス・土石、卸売業がこれに続いた。東証1部の騰落数は値上がり1996銘柄に対し、値下がりが105銘柄、変わらずが13銘柄で、全面高の展開となった。米ナスダックが3%を超す上昇となったことなどを背景に、東京エレクトロン<8035.T>やアドバンテスト<6857.T>など半導体関連が強含みで推移。外需大型株のコマツ<6301.T>やパナソニック<6752.T>は5%を超す上昇となった。
財務省による学校法人森友学園の決裁文書改ざん問題を巡り、当時の財務省理財局長だった佐川氏は証人喚問で、改ざんは「理財局の中で行われた」と証言。安倍晋三首相や麻生太郎財務相、首相官邸幹部らの関与は否定した。
同問題に関連し、悪いシナリオは相当程度、織り込まれたと市場ではみられており「相場への悪影響は減ってきた印象」(別の国内証券)との声が聞かれた。もっとも、内閣支持率の動向に対する警戒感は引き続きくすぶっている。
きょうの強い相場は「前日まで悲観ムードが強まっていただけに自律反発の側面が強い」(水戸証券・投資顧問部チーフファンドマネージャー、酒井一氏)ともみられている。米中の貿易摩擦は話し合いのテーブルにつこうとしている段階にすぎず、先行きは引き続き流動的だとの見方から「(強い地合いは)短期的な動きにとどまるかもしれない」(酒井氏)という。
東証1部の売買代金は3兆2137億円だった。きょうは3月期末配当の権利付最終売買日。公的年金など機関投資家の「配当再投資の買い」が過去最大規模になるとみられており、短期的な需給要因の改善も相場を下支えしたようだ。
個別銘柄では、アルゴグラフィックス<7595.T>が一時ストップ高となった。26日発表の業績・配当予想の上方修正を材料視した買いが入った。製造業向けのシステム構築支援などが堅調に推移したという。
一方、カルビー<2229.T>が急落。松本晃会長兼最高経営責任者(CEO)が退任すると取引時間中に発表。「『プロ経営者』の退任で今後の経営の先行きに不透明感が強まった」(国内証券)との声が聞かれた。
日経平均<.N225>
終値 21317.32 +551.22
寄り付き 20958.90
安値/高値 20943.31─21317.32
TOPIX<.TOPX>
終値 1717.13+45.81
寄り付き 1687.19
安値/高値 1685.65─1717.13
東証出来高(万株) 164385
東証売買代金(億円) 32137.64
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