三越伊勢丹社長が明かす「構造改革の中身」

次の成長に向けた事業構造の転換へ

新たな3カ年経営計画をスタートする(撮影:今井康一)
三越伊勢丹ホールディングス(HD)は昨年4月に杉江俊彦氏が社長に就任。3月から新たな3カ年経営計画をスタートする。構造改革を進め収益体質を強化し、次の成長に向けた事業構造の転換に乗り出す。その具体的な施策はどうするのか。同社がもくろむデジタル化の中身など重要施策を杉江社長に聞いた(本記事は『ファッション販売』2018年4月号に掲載されたものです。内容は取材当時のものです)。
(聞き手/『ファッション販売』編集長・西岡克)

――足元の状況は。

当記事は「商業界ONLINE」にて公開した記事の転載です。元記事はこちら

杉江:非常にいいです。特に新宿(伊勢丹新宿本店)、銀座(三越銀座店)、日本橋(三越日本橋本店)の基幹店や大都市の店はとても好調です。株高を背景に高額品がよく売れ、インバウンド需要も強く、気温の低下で衣料品系が動いており、この3つが重なって想定以上に売上げが取れています。

逆にインバウンドや高額品などの影響を受けない地方店は前年をほぼ上回って悪くはないのですが基幹店ほどの伸びはありません。ただ支店は厳しいです。

売上げと面積のバランスを是正

――来年度から始まる新中期経営計画における具体的な施策について聞きたい。基幹3店のリモデルは。

杉江:基幹3店には長年手を付けてこられなかった課題があります。

杉江 俊彦(すぎえ としひこ)/1961年2月15日東京都生まれ。83年3月慶應義塾大学法学部卒業後、4月伊勢丹(現三越伊勢丹)入社。本店家庭用品売場を振り出しに店舗運営担当、本店販売推進担当、婦人服飾雑貨の販売担当長などを経て2007年食品営業部長。09年執行役員。12年に三越伊勢丹HDの、13年に三越伊勢丹の取締役常務執行役員経営戦略本部長。16年両社の取締役専務執行役員。17年4月から両社の社長執行役員。趣味はギターなど楽器演奏、カヤックなどのアウトドアスポーツ、読書(写真:『ファッション販売』編集部)

一つは顧客の関心というか売上げのシェアと面積のバランスが相当ずれてきていることです。具体的には衣料品の売上げが落ちてきて、雑貨や化粧品が増えています。このバランスの悪さを是正しなければなりません。

もう一つは新しい売り方や見せ方が求められていることです。例えば化粧品では昔のアメリカの百貨店がつくった柱巻きに列を並べて通路で接客する販売方法が定着していますが、今のお客さまにはもう少しじっくりとカウンセリングを受けたいという要望があります。

またかつて伊勢丹は新しい売り方として靴やハンドバッグといった雑貨を1階に全部下ろしました。ただ上のフロアから雑貨を全部抜いてしまったので、上の衣料品のフロアはハンガーだけが置いてあるような見た感じも買い方としても面白みがない売場になってしまっています。

こうした今まで積み残してきた売上げと面積バランスの問題とか、特に衣料品や化粧品の売り方や見せ方など販売方法の問題が今まで手付かずになってしまっています。新宿と日本橋ではここに徹底的に手を入れていきたいと考えています。

リモデルは新宿は20年の3月までに、日本橋は18年秋には完了する計画です。

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