大丸松坂屋が「保育園運営」に本気で挑むワケ 「英語」を軸にした300人超の大規模園を展開
J.フロントは新事業の育成といった「攻め」の施策だけでなく、「守り」の一手も打ち出している。
約22%を出資する資本・業務提携先の千趣会について出資比率を下げ、持ち分適用会社から除外する方向であることをこのほど公表した。政府系ファンドを引き受け先に約70億円の増資を実施したうえで、千趣会はJ.フロントが持つ同社株を買い戻す方針。J.フロント側もこれに応じる姿勢だ。
千趣会からJフロントに自己株買い戻しの提案があったのは、昨年の12月だ。この提案に対し、J.フロント側は「買い戻しに応じるとの方向性が固まるまでに、そんなに時間はかからなかった」(社内関係者)という。2月末には持ち株の一部売却を正式に公表するスピード対応だった。
千趣会からの提案は「渡りに船」だった
千趣会は本業のタログ通販で不振が続く。2017年12月期は商品減損などもあり、100億円超もの最終赤字を計上。今2018年12月期は純利益14億円と黒字転換を見込むが、再び最終赤字になる可能性が十分にある。
今2018年2月期からIFRS (国際会計基準)を導入し、利益重視の経営方針を明確にしているJ.フロントにとって、赤字体質の千趣会は全体業績を押し下げる「問題児」でしかなかった。「百貨店などの本業は好調なのに、(千趣会の赤字は)困ったものですよ」と嘆く社内関係者は少なくなかった。今回の千趣会からの提案は、まさに「渡りに船」だったのだ。
資本提携を解消する方向だが、業務提携は継続する意向だ。大丸松坂屋に出店する「ベルメゾン」ブランドの売り上げは小粒ながらも年々伸びており、こうした関係は続けていくもようだ。
ただ、そもそもの提携の理由のひとつであった千趣会からJ.フロントへのWeb事業のノウハウ提供については、ほとんど効果が出ていない。J.フロントはWeb事業が「うまくいっていない」(別の社内関係者)だけに、同事業をどのようにして立て直していくのかが、今後問われることになる。
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