「中国経済崩壊論」は、やはりウソ!

いまだに絶好調の上海経済

無駄な過剰投資はやはり問題

当然のことながら「中国経済は何もかも順調!」とか言うはずもなく、問題もたくさんある。たとえば海外の需要ショックを吸収するために巨額のインフラ投資が行われたからか、どうも無駄な過剰設備が多い。たとえば黄山という有名な観光地にドライブで行くと、その目的地の近くは週末のハイウェーなのに私たちご一行しか走っていない。だだっ広い立派な道路が全然使われていないのを見ると、建設業界への利益誘導でクマやシカしか走っていない日本の地方の道路事情を思い出す。

そういえば年度末になると予算を消化するために、出来て間もない立派なアスファルトの頑丈な道路を、“補修工事”とやらで掘り起こしてまた埋め直す、という謎の道路工事が昔は多かったものだが、今でも日本ではこれを見ることができるのだろうか。

ともあれこれは日本の政治家も同じだが、共産党の地方幹部も自分の任期の間に立派なインフラを造って、長期的に採算がとれなくてもそれは後任者に任せる、という無責任がまかり通っているという。

ちなみに現地で売っているマンションも東京より高いものが多く、サイズも巨大で3億円、4億円の部屋がごろごろ売り出されており、経済にバブルが存在するのは確かである。ただし、その急落を吸収する仕組みは、不動産におけるレバレッジの低さや早期に動いた当局の引き締め政策、内需拡大の余地など、まだまだたくさんあることも事実なのだ。

日本食は上海でも大人気~香港よりも人は親切に?

さて、ここ数年でイケアやカルフールの大型店舗が進出したが、その複合ビルの中には日本レストランがかなり多く、吉野家も謎の回転ずしチェーンも非常に人気がある。

回転ずしのネタはサーモンとウナギと卵焼きとホタテとキュウリ巻の5種類しかなくて寂しいのだが、食べてみるとこれがまた値段の割に結構おいしく、恥ずかしながら30皿も食べてしまった。

そして驚くことに、今やどこの店に入っても「歓迎光臨(いらっしゃいませ)」と声をかけてもらえ、店を出るときは「謝光臨(お越しくださり、ありがとうございました)」と丁寧にあいさつしてもらえる。人の話し方も丁寧になっており、親切な人も増えた。上海に限れば、いまだに声が馬鹿デカく無礼な人の多い香港に比べ、よっぽど人がいい気がする。

もっともこれは、昨日、私が香港の自宅のビルを出て、母親のオクトパスカード(香港の住居のIDに電車代金とかチャージできるカード)を使っていつものようにメトロに乗ろうとしたら、5人の無礼な係員に取り囲まれ、香港特有の“世界最大の大声”で「このカードはあなたのではない。不法に他人のメトロカードを使った。罰金500香港ドルだ」などと荒唐無稽な(実際、香港の友人や自宅マンションのコンシェルジュに聞いても、聞いたことないと驚いていた)言いがかりをつけられ500香港ドルを取られたので、一時的に香港メトロへの怒りがベースにあることが、上海への過大評価につながっているかもしれないので、その旨、ご注意いただきたい。

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