「購入直後」が物を売る最高のチャンスな理由 Win-Winな関係だからこそ、うまくいく

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例えば、家電量販店でパソコンを購入した場合もそうです。必ずインターネットの光回線の契約や見直しの提案をされます。接客する人によっては、初めからインターネットの光回線の話をされることもありますが、購入した直後の方が契約しやすい状態なので、購入を決めた後におすすめされるケースが多いのは、そういう理由があるのです。

さらには、メーカー保証が1年のところに、保証期間の延長をプラスする延長保証をおすすめされたり、初期セットアップの代行をおすすめされたりします。

仮に、家電量販店が発行するクレジットカードに入会していなければ、この機会に加入を促されたりもします。さらに、付属品であるマウス、持ち運び用のケース、プリンターなどをおすすめされることも多いはずです。

ほかには、ネット通販などの健康食品、化粧品業界で積極的に使われている「ワンタイムオファー」という強力な方法もあります。商品を注文した後に表示される注文完了ページに、必ずほかの商品が表示されるあれのことです。しかも、決められた時間内なら「○%引き」と書いてあることが多いので、つい購入してしまう方がたくさんいます。

どうやって他の商品をすすめるのか

では、こうした「お客さまの購入直後」のタイミングに、どのように他の商品をすすめればよいのでしょうか?

ここでは、自動車の販売、住宅のリフォーム、保険、住宅営業の個人向け営業という、4つの事例に分けて具体的な営業方法を紹介します。

まず自動車の販売であるカーディーラー営業担当の場合、値段交渉が終わり、お客さまが車の購入の決断をしたところで、次の車検までの保守点検整備の契約を提案してみましょう。オイル交換、オイルエレメント交換、タイヤの空気圧調整、万が一故障になった箇所があった場合の無料交換などがセットになったものがいいでしょう。

販売店ではこうした保守点検のプランを用意しているはずですし、社内でおすすめするように言われているかもしれません。ベストなタイミングは、お客さまが契約する前で、車購入の決断をしたあたりです。見積時にこのプランを提示してしまうと、購入費用削減のために、項目が削られる可能性があります。

お客さまが、車を大切に乗るためには、定期的に、カー用品量販店などでオイル交換をする必要があります。空気圧調整も、昨今のガソリンスタンドでは自分で作業しないといけいことも多く、手間がかかるためムダにはならないサービスです。保守点検の契約は、販売店で契約してもらった方が、お客さまと接する機会も多くなり、次の車も買ってもらいやすくなります。

次に、住宅のリフォームの営業マンの場合であれば、キッチン、お風呂など、お客さまの希望するリフォーム箇所の商談が終わり、成約の意思を示したところで、購入特典サービスとしてお得感がある割引率を示し、お手頃価格の別のサービスを提案してみましょう。

例えば、網戸の張り替え、防音、断熱の窓やサッシの取替えなど、なるべく低額で「営業マンに説明されると必要かも……」と思うものを選んで提案するのが賢明です。

ちなみに、キッチンだけのリフォーム希望者に対してお風呂やトイレのリフォームを提案するのは、成約の意思を示す前にした方が得策です。あとから別のプランを出して無理にすすめると、不信感を抱かれかねませんので要注意です。

次ページ追加提案するのに一番のタイミングとは
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