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IHI、「相次ぐ不正」にトップが吐露した痛恨の極み 井手社長「技術の会社が技術を欺いてしまった」

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井手博/いで・ひろし 1961年生まれ。1983年石川島播磨重工業(現IHI)入社。海外営業戦略部長などを経て、2013年シンガポール子会社の社長として世界各地のプラント建設に従事。2019年常務執行役員。2020年代表取締役社長(現職、写真:梅谷秀司)
2024年、総合重機大手のIHIは製造現場での不正が相次いだ。4月には、船舶用エンジンの製造子会社・IHI原動機で長年の燃費データ改ざんが発覚。その調査で、少なくとも50年間で6830台の改ざんが見つかった。同7月末には、道路除雪車の製造子会社・新潟トランシスでも1239台の試験不正が行われてきた実態が判明した。
石川島造船所の時代から、創業170年を迎えたIHI。航空・宇宙・防衛やインフラ分野を筆頭に高い技術力を誇る企業に、いったい何が起きているのか。井手博社長を直撃した。

「企業としての存立が揺らいでいる」危機感

――一連のコンプライアンス違反をどう受け止めていますか。

IHIでは2019年に民間航空エンジンの整備事業で不適切検査の事案があった。このときにも非常に大きなインパクトがあって、全社的にコンプライアンス意識を高める取り組みをやってきた。それにもかかわらず、問題が出てきてしまったのはすごくショックだ。「職場風土を変えるんだ」と言っておきながら、何も変わっていなかった。

2023年9月の公正取引委員会による駐車場装置事業の立ち入り事案も含めると、(この1年余りで)3つ立て続けにコンプライアンスの問題が出てきた。もう企業としての存立が揺らいでいるぐらいの危機感を持っている。

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