ホンダCMが「宗一郎少年」の夢を体現したワケ 2月後期作品別CM好感度ランキング上位30

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自らのコミュニティーの枠を飛び出し、そこから離れることで視野を広げ、柔軟な思考を手に入れる。ダイバーシティーが声高に叫ばれる現代にこそ必要な考え方だ。第1弾では6年半ぶりに国内販売を再開し、復活を遂げた新型『シビック』を題材に据えた。「ティザー」篇では荒野を走る同車の遠景に「ONE OK ROCK」「Go,Vantage Point.」のコピーと「見晴らしのいい場所へ」というナレーションがかかるだけのシンプルな構成だった。

続篇もガソリンスタンドや市街地に車を走らせるロックバンド・ONE OK ROCKのメンバーの姿に同様のフレーズを重ねるのみ。

彼らと映画監督・庵野秀明それぞれが“見晴らしのいい場所”を目指す5作目(本篇)で初めてそのメッセージの真意が明かされるわけだが、調査モニターの感想を確認すると「ワンオクのタカがかっこ良かった。曲も良かった」「ONE OK ROCK最高!!」「庵野監督がCMに出るなんてびっくり」など、出演者や音楽に意識が向いた内容が目立った。

一方、今回の主役は完全にHondaJetである。自動車にとどまらない“製品の多様性・モビリティの可能性への挑戦”という価値を表現するうえで象徴的な製品だったという。

華麗なダンスでCMに引き込もうとする警官こそ登場するが、有名なタレントが登場するわけではない。ONE OK ROCKの新曲『Change』がBGMに使われてはいるが、彼らは映像上には一切映らず、ボーカルのTakaがナレーションで参加するだけにとどまっている。

主役である製品に意識を集中させるためのシンプルな構成と言えばそれまでだが、その要素を一つひとつ紐解いていくとよく練られていることがわかる。ONE OK ROCKがこの企業広告シリーズのメッセージに共感して書き下ろした『Change』の歌詞をここで一部取り上げてみる。

「♪You know it's not too late for us to make a change(変わるのに遅すぎるなんてない)」「No matter how much we might bend we will not break(どんなに曲がってたわんでも折れることはないから大丈夫)」
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