スルガ銀の時価総額が1月から3割減ったワケ シェアハウスの建設資金融資を懸念

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[東京 6日 ロイター] - スルガ銀行<8358.T>の株価が1月から下落基調となり、今月6日までに時価総額の3割を失った。スルガ銀行がシェアハウスの建設資金を融資し、その一部が回収不可能になるのではないかとの懸念が浮上。株価下落の大きな要因として認識されている。

問題になっているのは、不動産会社・スマートデイズが運営するシェアハウスへの融資。スルガ銀行は6日、ロイターの取材に対し、メールでスマートデイズが運営する物件も含むシェアハウスに関連した融資があることを認めている。

シェアハウスは、複数の賃借人がキッチンやトイレ、浴室などを共用する住居。オーナーは銀行から融資を受けてシェアハウスを建設、その運営をスマートデイズに委託していた。

オーナーはサブリース賃料を受け取り、スマートデイズは最長で30年の賃料保証をしていた。

1月17日と20日にオーナーへの説明会を開催

スマートデイズは6日、ロイターの取材に対し、2017年10月末から、オーナーへの賃料支払いを一部減額し、今年1月末には賃料の支払いが「大変厳しい状況」であることを伝えたとしている。

1月17日と20日にオーナーへの説明会を開催しているが、スルガ銀の株価下落はこの時期に始まった。

スマートデイズによると、2018年1月時点で845棟(部屋数1万1259)のシェアハウスを主に東京都内で運営、そのオーナー数は約700人としている。

シェアハウスのオーナーのほとんどが、スルガ銀行から融資を受けていたという一部報道について、スマートデイズは金融機関とオーナーとの契約についてはコメントができないとしている。

UBS証券の銀行アナリスト、伊奈伸一氏は2月28日付のレポートの中で800人程度と報じられているシェアハウスのオーナー数から、スルガ銀行には1000億円程度の融資残高があると想定。

全額が返済されない可能性があるとして、200億円程度の与信コストが2019年3月期にかけて発生する可能性があるとしている。

スルガ銀行は個人向けローンを積極的に展開し、他の地銀より高い利益率を確保することで投資家から評価されていた。同行の2017年12月末の総貸出金の9割は個人ローンであり、預貸金粗りざやは3.51パーセントと地銀平均の1.12パーセントを大きく上回っている。

UBS証券の伊奈氏は「リスクを取らなければ、高い利回りの確保はできない」とし、仮に同行に200億円の与信コストが発生したとして、それを埋める利益を出すことは可能とみている。

スルガ銀は、2018年3月期の当期純利益を430億円と予想している。

融資焦げ付き懸念による株価下落と、200億円の与信コストの推測について、スルガ銀の担当者は「回答を控える」と述べている。

(藤田淳子 編集:田巻一彦)

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