グーグルが「自動撮影カメラ」に託すAI戦略 子育て中の親世代やペットの飼い主が対象
グーグルは、昨年10月に発表したクリップスについて、人が好む写真についての長年の研究の産物だとしている。ありふれた自撮り写真やポーズを取った写真よりも、さりげない瞬間を写したカジュアルな写真を好む消費者の方が圧倒的に多かった。だが、カジュアルな写真を撮りたくても、スマホを取り出すのが間に合わないことはよくある。また、カメラが向けられていることを知ると自意識過剰になってしまう人も多い。
「(スマホで)撮影する写真と写真の間に、決定的瞬間がある。このカメラがあれば、それを撮影できる」と、クリップスの開発を主導したジャストン・ペイン氏は今月記者団に述べた。
周囲に溶け込む専用デバイスが最適
ペイン氏によると、彼のチームはカメラ単体の開発を命じられたわけではなかった。例えば、スマホのカメラにもっとたくさんのソフトウエアを組み入れることもできた。
だが、自然な写真を撮るには、周囲に溶け込む専用デバイスが最適という結果になったと、ペイン氏は言う。約5センチ四方、重さ約57グラムのクリップスは、引き出しの取っ手や、庭の木の枝にひっかけることもできる。ただ、身に着けるようには設計されてはいないという。
最適な写真が撮れるのは、対象がフレーム内にいて、約90センチの距離にあるときだという。また、1度の充電で3時間稼働する。
グーグルは、撮影中にともる白ランプを取り付けることで、プライバシーの懸念に対応したとしている。また、クラウドに直接接続する機能は意図的に搭載していない。
録音機能がないことに落胆する消費者もいるかもしれない。ペイン氏は、録音機能をつければスカイダイビングやスキーで自撮りに使う人が出てくることが考えられるが、それにはまだクリップスの自動撮影機能は対応できないと説明した。
コンサルタント会社キム・アドバイザリー・キャピタルの製品デザインコンサルタント、マイケル・キム氏は、クリップスは「雰囲気写真」を撮るのには便利だろうとする一方で、このように高価な「新しいおもちゃ」が大きな人気を呼ぶかは疑問だとしている。
(Paresh Dave 翻訳:山口香子、編集:伊藤典子)
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