大赤字!通販「ベルメゾン」が苦戦する理由

迷走の千趣会、ファンド出資でどうなるのか

通販のみならず、小売りにとって顧客母数が多いに越したことはないが、それが増えにくくなっているうえ、実際に買っている人も減っているわけである。

この間、千趣会も手は打ってきた。が、これが非常にマズい戦略だった。アマゾンのようなプラットフォーム型の業者が台頭したことで、ネット通販は「ワンストップで何でも買える」総合商店が主流になったこともあって、千趣会もこの路線を目指した。

消費の「パーソナル化」と逆行

もともと、ベルメゾンは20~40代女性をターゲットにしている中でも、一定の領域に強みを持っていたのだが、売り上げ増加に向けて取り扱うカテゴリを広げ、商品数を増やしたのだ。たとえば、衣料品では「どのお客さんにもリーチしようと考えた」(千趣会)という。

結果、2012年から5年で商品型数は73%も増加。実際、ベルメゾンのサイトを見れば、食器棚をとっても、素材やデザイン、棚の数などが微妙に違う商品がずらりと出てくる。同時に、企画から製造、販売まで行うSPA型を志向したものの、SPAをやることが目的化してしまい、気が付けばSPAに適さないような商品まで作るようになっていったという。

あれもこれも手を出し商品数が膨大になった結果、どこにでも売っているような商品だらけになった。一方、この間、消費者は大量生産的なものから、よりパーソナル化したものを好むようになっており、ベルメゾンの顧客も徐々により個性的な商品が並ぶサイトか、アマゾンのような使い勝手のいいサイトへと移っていく。

こうして余剰在庫が増え、在庫一掃セールを行うことで利益率は低下。さらに、売れ残り商品の評価損によって赤字を出す体質になってしまった。ちなみに、2017年の商品評価損は20億円に達している。

商品開発力も低下していった。売り上げが伸び悩む中、商品開発部の人材は、新規事業開発などへまわされ、部門が縮小。残った人員も、従来のカタログ作りのやり方から離れられず、タイムリーに商品を開発し、必要なタイミングで売り出すことができなかった。

マーケティングの世界に、「考慮集合」という言葉がある。人がモノを買うときに、複数の商品を比較検討した中で、最終的に購買を考慮する候補に入る商品やショップがこれにあたる。

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