大赤字!通販「ベルメゾン」が苦戦する理由

迷走の千趣会、ファンド出資でどうなるのか

ベルメゾンの場合、その前の段階である「欲しいであろうモノが置いてあるところ」として認識はされるものの、最終的にクリックはしてもらえない。つまり、価格や機能、デザイン、あるいはサイトの使い勝手など総合的に判断した場合、サイトは訪れるかもしれないが、最終的に買う候補に残らない商品が並ぶようになってしまったのだ。

頼みにしていたJ. フロントとの提携も順調に進んだとはいえない。2年前に両社が業務提携をした際には、約60億円を投じて、実店舗とネットを統合したオムニチャネル化に向けたシステムや物流インフラの整備などを行う予定だった。

が、千趣会の発表によると、これまでのところできているのは、オムニチャネル販売を推進するベースとなるシステムの開発や、大丸松坂屋へのベルメゾンブランドの店舗出店くらい。J. フロントから得た75億円のうち60億円は、上記に使う予定だったが、結局8億円ほどしか使っていない。

提携には無理があった?

実際、今回千趣会はJ. フロントから自己株を買い戻すにあたって、“まだ使っていない”約64億円をこの資金に充てるとしている。ただし、どの程度買い戻すかについては、「今後協議する」予定だという。

これについて千趣会は、「店舗開発に時間がかかったのと、データの作り込みが難しくシステム開発にまで手が回らなかった」としている。だが、そもそも「ECネイティブではない両社が、オムニチャネルを目指すことに無理があったのではないか」と、『アマゾンが描く2022年の世界』などの著書がある、立教大学ビジネススクールの田中道昭教授は話す。

「ネットで買い物する際に、サイトが数秒止まっただけでも顧客がストレスを感じるようになってきた中で、顧客が本能的に使いたくなるようなインターフェースや顧客体験ができるサイトをリアル店舗側が作るのは難しい」(田中教授)

いきおい、千趣会とJ .フロントは商品の共同開発や互いの商品をそれぞれの店舗やサイトで販売するといった、単なる販売チャネルの多様化にとどまってしまったのかもしれない。

今回、千趣会の優先株の引き受け手となる、地域経済活性化支援機構(REVIC=レビック)は、地域活性化を目的とした起業から事業再生支援までを手掛けている。

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