ファミリーマートが医薬品販売者をコンビニ店舗で育成へ
9月末に医薬品販売に乗り出したコンビニエンスストア3位のファミリーマートは、来年4月導入される医薬品販売の新資格「登録販売者」を育成する。薬剤師が常駐して医薬品販売を行うファミマ店舗に社員を配置し、登録販売者試験に必要な「1年以上の実務経験」と販売データ、ノウハウの習得を狙う。
コンビニにとって医薬品は顧客ニーズが高いにもかかわらず、品ぞろえできなかった商材の1つ。薬剤師不在での販売が認められていなかったためだ。だが来春施行の改正薬事法で新設する「登録販売者」を置けば高リスクの薬品を除き、大半の大衆薬を扱えるようになる。「登録販売者」は、都道府県が今夏から資格試験を始めている。
ファミマは9月30日に東京・千代田区の外神田6丁目店、10月6日から東京・豊島の南池袋2丁目店の直営2店に薬剤師を置き、医薬品の販売を開始。「登録販売者」取得候補の社員も配置し、来年の試験に合格した社員は、それぞれ別の店舗に配属して、倍々に登録販売者を増やしていく計画だ。今後3年で登録販売者300人、取り扱いを100店舗以上に拡大する。
医薬販売店の1つ、外神田6丁目店では、約14平方メートルの専用売り場に約230種類の医薬品が並ぶ。頭痛薬、睡眠薬から風邪薬や包帯まで品ぞろえした。販売時間は朝7時~夜23時で、1日当たり1万~2万円の売り上げを目標にしている。商品本部の田中将彦マネジャーは「緊急性の高い商品のニーズがあると考えている。売り場は固定せずに、随時変化させていきたい」と話す。
医薬品販売参入はコンビニ業界にとって新規顧客開拓の大きな商機となる。業界トップのセブン−イレブンは調剤大手のアインファーマシーズと提携し、店頭販売実現に向け解決策を探っている。第2位のローソンも薬剤師を活用した販売を検討中だ。
ライバルに先んじて「念願」の医薬品販売を実現したファミマだが、24時間の販売や登録販売者に支払う手当、FC店への展開方法など、課題が多いのも事実だ。「今後は品ぞろえや出店立地など販売面だけでなく、登録販売者養成ノウハウも蓄積しながら慎重に実験を進める」(田中マネジャー)という。
(田邊 佳介 =東洋経済オンライン)
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