2025年東京のマイホーム事情は様変わりする アジア人富裕層が経済移民として押し寄せる

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しかし、東京で不動産を買うのでは日本人と競合するだけで意味がない。

経済移民には、地方都市で、日本人事業家の出口や受け皿として不利な案件をこなしてもらう必要がある。 それでも富裕な経済移民は気にしないだろう。これから永住する日本への、「ふるさと納税」だと思えば済む話だ。

「居住権の販売はカネになる……」

かくして、毎年、2%の物価や賃料上昇をベンチマークとして、それに見合う人数の富裕層に居住権が与えられることになるだろう。経済と移民の問題が必ずしもリンクしていないという縦割り行政の洗礼を受け、調整は難航するだろうが、最終的には、うまく機能することになるはずだ。 移民受け入れに際しては、日本らしからぬ規制も導入されることになるだろう。 占い、健康食品、情報商材、マッサージ、ギャンブルなど「特定」業種に関わる外国人は居住権の取得ができないことになるかもしれない。

「特定」とは日本の法律でよく使われる言葉だ。「特定」で指し示されている内容は、ワケ有りであることも多い。 また、金持ちでも素行の悪い外国人は居住権の申請ができないことになるだろう。 職業や学歴に貴賎はなく万人は平等である──そのような建前により制度設計されている日本では新しい試みとなる。

アジアの富裕層が東京のマンション価格をつり上げる

「日本製品を買って経済に貢献する」「日本人の雇用を奪わない」「文化度を下げず治安を悪化させない」、この3要素を兼ね備えた外国人を歓迎する政策をとることになるわけだ。 2025年。かくして、東京23区は外国人招致特区とされ、富裕なアジア人が不動産を購入することにより、高い地価が維持されることとなる。

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2018年現在、都心の平均的な70㎡のファミリータイプマンションは、おおよそ7000万円だ。これが2025年には9000万円まで値上がりしていることになるだろう。

東京にはマンションがたくさん余っているようにも見えるが、これは移民が入ってこない前提で計算した場合だ。じつは、香港や台湾、中国都市部の投資家から見れば、日本のマンションは割安なのだ。東京に富裕な経済移民が流入すれば、マンションの需給は逼迫し価格はすぐに上昇する。 そのため、都心のタワーマンションは、普通の日本人には、ますます高嶺の花となるだろう。共働きの高所得世帯でなければ手の届かないものとなるはずだ。

玉川 陽介 コアプラス・アンド・アーキテクチャーズ代表取締役

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たまがわ ようすけ / Tamagawa Yosuke

1978年神奈川県生まれ。学習院大学卒業。コアプラス・アンド・アーキテクチャーズ株式会社代表取締役。大学在学中に統計データ処理受託の会社を設立。同社を毎年増収増益で成長させ、2006年に売却。その資金で本格的に投資を始める。その後、国内外で不動産投資と証券投資を幅広く行う。自らの投資収益を主たる収益源としながら、経済誌への記事執筆も行っている。過去に学習院さくらアカデミー講師ほか金融経済の講演を開催。『不動産投資一年目の教科書』(東洋経済新報社)をはじめ、金融商品分析や不動産投資に関する著書は計14万部を超えるロングセラーとなる。近著に『Excelでできる 不動産投資「資産管理」のすべて』(技術評論社)

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