平昌五輪で米朝に「勝った」文大統領の根性 「米朝会談」は幻に終わったが・・・
とはいえ、今回の会談は、明らかに文大統領率いる韓国側が企画したもので、北朝鮮も米国も、特に気乗りしていたものではなかった。最初はどちらも(まったく違った理由ながら)韓国を満足させるために同意していたが・・・・・・。北朝鮮側がペンス副大統領との会談を渋っていたのは、表には出さないにしろ、明白だった。
「北朝鮮代表団は、ペンス副大統領との会談が調整されていたにもかかわらず、米朝関係に深く踏み込むような会談を行うつもりはなかった」と、韓国で文政権の顧問を務める北朝鮮専門家は話す。「そう私が考える理由は、北朝鮮代表団に外務省の米朝関係担当者が含まれていなかったから。マイク・ペンス副大統領の言動を北朝鮮代表団が歓迎することは許されない。北朝鮮側は、弱い立場で米国と話すことは好まないからだ」。
「悪い会議をするより、しない方がいい」という理論
北朝鮮は、10日付けで上層部の署名済みの文書を発表し、オリンピックでは米国との対話は行わないと宣言。「会談がどのようなものになるかがわかった後、北朝鮮は無駄なことはやめようと考えたわけだ」、と諜報機関で長年経験を積んだ米国北朝鮮専門家は語る。「北朝鮮は長いこと、『悪い会議をするより、しない方がいいこともある』という理論にのっとってやってきている」
ペンス副大統領も、窮地を脱してほっとしたことだろう。だが、その強硬姿勢には、米国の政策が、大きな転換点にあることが示されていた。会談は何の前提条件もなしで行われるはずだった。これは、米国の政策立案者が何カ月にもわたって提唱していた譲歩案だ。これらを提案していた人たちの主張は、少なくとも北朝鮮側の気分を試すため、また、緊張を緩和し、戦争につながる誤算を減らすためにも、こうした接触が必要だ、というものだ。
結局、会談は「不発」に終わったが、文大統領の平和への探求は思いとどまることはなかった。そして、閉会式は再び米国と北朝鮮の代表団の「ペア」を実現だせた。米国代表団を率いるのは、イヴァンカ・トランプ大統領補佐官、そして、北朝鮮代表団を率いたのは入国禁止措置も受けている悪名高き高官、金英哲氏だ。2010年の韓国海軍哨戒艦沈没を計画したとされ、韓国関係を操る最重要人物である。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら