平昌五輪で米朝に「勝った」文大統領の根性 「米朝会談」は幻に終わったが・・・

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日本、米国、そしてそこまでではないにしろ中国も強化を強めてきた北朝鮮への経済制裁では、韓国の足並みがそろっていないほか、韓国政府と米政府の違いにつけ込む機会にもなると見ている。

自分たちの手による半島の統一という、これまで失われたことのない長期目標を追求するために、2国の仲を裂こうというのだ。米国との会談に臨むということは、そのために支払わなければならない代償なのである。

一方、ドナルド・トランプ政権は、過去2回の政権の政策を継続し、経済制裁、政治的孤立、軍事的脅威を利用して北朝鮮を圧迫し、真剣な話し合いに持っていくか、あるいは、可能性はそれほどでもないにしろ中国の後押しで政権交代を引き起こすことを考えている。

ドタキャンされた代表団による会談

こうした中、オリンピック開会式では、韓国政府の平和攻勢にもかかわらず、北朝鮮、米国とも、ほぼ完全に自らの目的のみに集中していたのは明らかだった。金政権は、韓国国民の敵意を和らげるためにオリンピックを利用した。ファーストレディならぬ「ファーストシスター」金与正氏も、どうやらオリンピックを自身のデビューの場ととらえたようだ。

一方、北朝鮮のほほえみ外交には、マイク・ペンス米副大統領とその親友の安倍晋三首相、という奇妙な2人組が「反撃」した。ペンス大統領は経済制裁に対する「最大限の圧力」というアプローチに亀裂は生じていない、と日米のスタンスをハッキリと伝えた。

もっとも、こうした公式な姿勢にもかかわらず、オリンピック開会後の10日の朝には、ペンス副大統領が北朝鮮代表団と会う予定が立てられていた。ホワイトハウスの談話によると、会談は北朝鮮側の要求によるものだったが、予定のほんの数時間前に北朝鮮によってキャンセルされた。それはおそらく、ペンス副大統領が金与正氏の妹に厳しい話をすることが予想され、北朝鮮側にそれを聞く気がなかったからだ、と見られている。

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