平昌五輪「女子ビッグエア」16歳岩渕の飛躍 初の五輪出場で日本人最高の4位に入賞
会場では20メートルを超えるキッカーの高さに大迫力と恐怖を目の当たりにした。スロープスタイルでも生で見ると高いと感じたコースやジャンプ台が、ビッグエアではその感覚をはるかに超えた。
それでも、関係者はジャンプ台の大きさはほかの国際大会のものより小さいと語った。コースに沿って設計を合わせているようだ。スロープスタイル同様、ケガのほか、命の危険が伴うことを感じた。選手は4年間の集大成として、これから命がけの挑戦が始まるのかと思うと、見守る側から緊張が一気に高まった。
公開練習では好調ぶりをみせていた代表選手たち
その中でも小柄なカラダでありながら、競技中の岩渕は大きくみえた。岩渕麗楽のピタリと決めた安定的な着地が印象的であった。
もちろん、現地の応援に行けない応援団も日本にはたくさんいた。
岩渕選手の地元・岩手県では、パブリックビューイングが行われ約500人が集まり、皆でパワーを送った。小学校低学年の頃から見てきている、岩渕選手の応援団会長の佐藤笑子さんは日本からこうエールを送った「レイラなら大丈夫。今までだって、ちゃんと楽しんでやってこれたから! ビッグエアは現地には行けないけど私達も、引き続き日本から応援してるから、レイラの事をよろしくお願いいたします」と現地応援団と気持ちを繋げ、1つにした。
また、岩渕選手の絶対的存在である、おばあちゃんはお似合いのピンクのマフラーを首に巻き、試合前にこう語った。
「ここまできたからには正直、欲がでます。あの子にメダルを取らせてあげたい。それでも何よりも、あの子の笑顔が本当に素敵なんです。だからあの子の笑顔が見たい」と手を合わせ祈った。
世界を沸かせたKポップ曲「江南スタイル」で会場が沸き始めると、踊りだす世界中の人達。オリンピックならではの、大会の一体感が感じられた。
「4年間の集大成を観たい!それを感じたいがため、休みを取ってわざわざここまで訪れた」のは米国・ロサンゼルス出身のJさん。「俺たちにとってオリンピックは特別なんだ」ニュージーランド出身のKさんも言う。
試合を待ち望む観客の熱気が高まりをみせていた頃、試合が始まった。
1本目、日本人選手で最初に登場したのは12人中7番目、鬼塚選手。以前から得意とするキャブ900(通常とは反対向きの足から踏み切り、2回転半する技)をだす。着地はどうか。見事成功。良いスタートを切る。得点は78.75。高得点だった。
これをきっちり決めることで次の技、バックサイドダブルコーク1080(縦2回転、横3回転する大技)で勝負できるというのがあったのだろう。
日本勢の2番手は、岩渕麗楽16歳、149cmの小さな体で大技を繰り出すまさに「小さな巨人」だ。現地韓国での人気も急上昇中だという。なんといってもあどけない笑顔に大胆なスノーボードスタイルで世界を魅了している。岩渕も見事な技(キャブ900)を決め、着地もピタッと合わせてきた。79.75 の高得点をマーク。順調な滑り出しの1本目、2位に浮上した。
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