節約列島日本で、高級モード誌は復権するか 『Harper’s BAZAAR』 森明子編集長に聞く

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――その“思い切り”の背景には、どんな事情があったのですか?

そもそも、日本以外に20カ国以上で販売されている『Harper’s BAZAAR』は、すべて左開きの横書きです。すると写真の取り方も、自然と左開き仕様になっているものがほとんどです。誌面の雰囲気を重視するなら、世界基準にそろえたほうがいいだろうということになりました。ウェブで同じ内容を配信することを考えても、縦組みのものを横に組み直すと時間がかかりますし、ミスが増える原因になりかねません。

あと、アメリカ的なテイストのページをあえて前半に大胆に持ってきてみたのも、ひとつの挑戦です。普通は、読者に親近感を持ってもらえるよう日本的なもので前半を埋めて、いかにもアメリカという印象のページを少しずつ挟むように作ります。

創刊前、『Harper’s BAZAAR』のいいところ、悪いところを検証する中で、ビジュアルを最大限大事にするところこそが、この雑誌のウリだと思ったんですね。なので、日本版でも日本的なフォーマットにこだわらず、ストレートに表現しようと。

たとえば、たくさんの商品を写真付きで紹介するページ。日本の雑誌では商品数が多い分、けっこうごちゃごちゃしてしまって、高級なものがあまり高級に見えなかったりします。それを『Harper’s BAZAAR』ではアメリカ版のように空間を取って、見せたいものをはっきりと見せるようにしました。

――あまり読者に媚びない、という感覚でしょうか。

そうですね。ほかにも目次をただのリストでなくデザイン的に見せるなど、普通の雑誌ではあまり見ないようなページの見せ方を行っていて、『Harper’s BAZAAR』ならではのリズム感を読者に伝えられればと思っています。

――リニューアルに当たっては、前回までにはないような取り組みも考えていらっしゃるのでしょうか。

雑誌としてひととおり、立ち上げのメドが立った後は、販売部数と広告収入で稼ぐこと、それ以外にも目を向けています。たとえば、百貨店と組んで新しいことができないかと。そこで、まずは三越伊勢丹と「ショップバザー」というeコマースのサイトを、百貨店、雑誌の2者でスタートしました。

あとは売り場での取り組みです。婦人服の売り場の中で、雑誌と伊勢丹新宿店で取り扱われているブランドがコラボしたディスプレイを作ることになりました。さらに伊勢丹のカード会員の方向けに、簡単なファッションショーのようなイベントを企画しました。エディターがトレンドについて語るトークショーも開催しました。「雑誌だから、ここまでくらいか」という壁を設けず、いろいろな取り組みをしてみたいと思っています。

長瀧 菜摘 東洋経済 記者

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ながたき なつみ / Natsumi Nagataki

​1989年生まれ。兵庫県神戸市出身。中央大学総合政策学部卒。2011年の入社以来、記者として化粧品・トイレタリー、自動車・建設機械などの業界を担当。2014年から東洋経済オンライン編集部、2016年に記者部門に戻り、以降IT・ネット業界を4年半担当。アマゾン、楽天、LINE、メルカリなど国内外大手のほか、スタートアップを幅広く取材。2021年から編集部門にて週刊東洋経済の特集企画などを担当。「すごいベンチャー100」の特集には記者・編集者として6年ほど参画。2023年10月から再び東洋経済オンライン編集部。

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