リクルーターが減れば、接触回数も少なくなる可能性がある。先輩から、「あの企業のリクルーターとは3回面談してもらった」と聞いていても、2回になる可能性がある。同じ就活生の間でも、住んでいる地域や企業と大学との距離によって、会う回数も違ってくる。それを受けて、「会う回数が他の人より少ないから自分には見込みがないのか」と思い、選考を受けずに勝手に諦めてしまうのはもったいない。リクルーターの接触有無が選考の絶対条件ではないし、企業や部署ごとにリクルーターの実施有無・人数も異なることを認識しておいたほうがいい。
また、「あの企業は会いに来ないから採用意欲は低いようだ」と、安直に判断しないほうがいい。とにかく意中の企業があるのなら、過去の例や周囲の状況は気にせずにちゃんと選考に参加し、結果が出るまで勝手な思い込みはしない方がいい。
ちなみに理系学生の場合、「推薦」で志望するタイミングに留意したい。大手メーカーが理系学生を技術職として採用する場合、大学や教授等の推薦状を求められるケースが多い。ところが、推薦枠での採用になると、他企業に就職する選択肢が閉ざされることにつながる。早く内定を得ることを優先し、第一志望群ではない企業を推薦で受けてしまう例を耳にする。意中の企業があるなら、その採用スケジュールを把握し、どの段階で決断する必要があるのか、整理しておいたほうがいいだろう。
アンテナを張り、多角的に情報収集を
大切なのは「企業の情報をきちんと集める」ことだ。当たり前のことだと思うかもしれないが、その本当の意味を知っている学生はまだまだ少ないはず。「説明会に参加しても無駄」、「企業ページに載っている情報は役に立たない」などと言う先輩もいるかもしれないが、無駄な情報などないといってもいい。
説明会では事業の説明が得られるだけでなく、社員との座談会が設けられていることもある。短い時間に複数の社員と話す絶好の機会にもなる。OB・OG訪問は1人の人からじっくり情報を引き出すチャンスになる。他にもホームページ、パンフレット、ウェブセミナー、先輩社員の話など、企業は採用につなげたいからこそ、時間や費用を投資してさまざまな手段で情報を発信しているのだ。それを無駄と言い切ることはできない。
情報を集めることは、企業の姿を多角的にとらえるためにも、必要な作業なのである。
どんな仕事ができるのか、働いている人はどんな人なのか、その業界ではどんな立ち位置なのか、他の業界とはどのようにかかわっているのか、そして世の中でなぜ必要とされているのか――。さまざまな視点で情報を集め、それを確認していくことで、初めて、この企業は自分に合っているのか、生き生きと働くことができるのかを、考えることができる。
そのためにも、企業が情報発信する機会を逃さず、いろいろな方法で情報を集める必要があるだろう。大手企業の採用動向の変化を読み、自分に合った企業を選択できるよう、アンテナを張り、「情報を集めるという姿勢」を忘れないようにしてほしい。
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