優先席の劣悪マナーは看過できないレベルだ 若者も中高年も外国人も席を譲らない

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山手線E235系車内の優先席付近。床の色分けなどでわかりやすくなっている(提供:JR東日本)

筆者が痛感するのは、山手線の優先座席の利用ルールの悪さである。ここに座る若者は、まず年寄りに席を譲ることはしないし(例外はある)、最近ではインバウンドの外国人、特にアジア系の客は優先席に真っ先に座り大きな荷物で通路をふさいでいることがある。

この優先席は外国人優先席ではないのである。このことはしっかりとインフォメーションすることが鉄道会社には必要だ。

先日のこと、中国系の若者と日本人の若者数人が優先席を占有して日本語でしゃべっていた。前には白髪の老婦人が立ったまま。思い余って筆者は席を譲るように言ったが、外国人は首を横に振り「日本語わからない」というしぐさなので、優先席のマークを指さして譲るように促した。

国情は違っても「郷に入れば郷に従え」、きちんと日本の鉄道利用のマナーはわきまえておくべきだ。現在は多くの外国人が来日し、ジャパン・レール・パスを利用する人も多いが、発行と同時に日本における鉄道利用のマナーや、文化、風習を英語、韓国語、中国語などで記した小冊子を添付する必要があると思うがいかがであろうか。

みんないつかは優先席が必要になる

「優先席」は決まったルール作りができておらず、あくまでも良心、助け合いや親切心といった人々のマナーに頼らざるをえないのが現状だ。欧米の鉄道先進国では、交通弱者の利用にはしっかりとルールがあり、一部の列車ではコンパートメントで守られていることすらある。

本記事は交通「強者」の若い人たちには耳の痛いことかもしれないが、若いあなたもいつかは必ず優先席を必要とする年齢が来るはずだ。その思いを心の片隅に持っていてほしいと筆者は心から思う。

南 正時 鉄道写真家

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みなみ・まさとき / Masatoki Minami

1946年福井県生まれ。アニメーターの大塚康生氏の影響を受けて、蒸気機関車の撮影に魅了され、鉄道を撮り続ける。71年に独立。新聞や鉄道・旅行雑誌にて撮影・執筆を行う。

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