優先席の劣悪マナーは看過できないレベルだ 若者も中高年も外国人も席を譲らない
私は今年72歳、東京都からシルバーパスを頂戴する年齢になったが、できるだけすいているときは一般席に座るようにしている。優先座席に座った場合でも、私より年長と思われる人や、明らかに障害のある人には必ず席を譲るようにしている。
ときどき、私の風体を見て席を譲られることもあるが、その時は素直に席に着く。ある若者に聞いた話だが「席を譲ろうとしても“年寄り扱いするな”と言われ、バツが悪かった」経験があると言う。こういうことがあると席を譲りにくいことも確かである。
優先席はいつから登場した?
さて、この「優先席」はかつて「シルバーシート」と言われていた。このためシルバー世代の優先座席と思われがちだったが、身障者、妊婦など立っての乗車が困難な人たち全般にわたっての優先席ということで、現在のように「優先席」「おもいやりぞーん」などと呼ばれるようになった。
「シルバーシート」は1973(昭和48)年9月15日の「敬老の日」に、当時の国鉄中央線快速と特別快速に初めて設置されたのが始まりだ。以後首都圏、京阪神の国電区間や大手私鉄まで広がっていったが、一部私鉄と東京都交通局では「優先席」と呼んでいた。
1990年代になって当時の京王帝都電鉄(現・京王電鉄)が「優先席」に呼称変更し、のちに1両当たり2カ所、16席の優先座席を設置して、交通弱者への対応に力を入れ始めた。同電鉄では現在「おもいやりぞーん」として、主力車両の7000系・8000系・9000系は1両当たり16席の優先席スペース(一部車いす対応)を確保している。これは相互直通運転を行う都営新宿線においてもほぼ同数の座席数である。
京王電鉄の「優先席」呼称により、その他の鉄道会社も「優先席」を採用し、現在はシルバーシートとは呼んでいない。
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