「年金は70歳から」と決めると計算が楽になる 「老後に必要なおカネ」を簡単に考える方法

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老後におカネはいくら必要なのか。「年金を70歳からもらう」と決めると、おカネの計算がすっきりする(写真:xiangtao / PIXTA)

読者の皆さんは、年金を何歳から受け取るつもりでいますか? 60歳でしょうか? それとも65歳? 70歳でしょうか。若い読者なら「そんなこと、決めていない!」と言われるかもしれませんが、年金の話は老後を考えるうえでも、とても大事です。若い読者の方も「アラフィフ」読者の方も、ぜひお読みください。

年金の繰り下げ年齢が「70歳まで」から「75歳まで」に?

「高齢社会対策大綱」をご存じですか。これは政府が「中長期的な高齢社会対策の指針」として1996年に最初の大綱を策定したもので、見直しを経つつ現在は「2012年に閣議決定した分」のさらなる改定に向けて、動いているところです。

最新分では、何が見直されようとしているのでしょうか。簡単に言えば、「老齢年金の受給開始年齢をさらに引き下げようかという案」がいよいよ検討に入ったようです。現在、年金の受給開始年齢は65歳です。これを、本人の希望により65歳より前に受け取ることを「繰り上げ」、65歳以降に受け取りを開始することを「繰り下げ」と呼んでいます。現状、年金の繰り上げは60歳、繰り下げは70歳まで可能ですが、これからは、繰り下げについては75歳まで可能としようということも選択肢になってきそうです。

このような報道をそのまま受け取ると、「年金がもらえなくなるのか!」との批判になってしまいかねませんが、「人生100年時代」、これからは長生きに備える生活設計を考えると、むしろ繰り下げを前提として老後を考えるほうが、理にかなっているかもしれません。

まずは、最初に年金の繰り上げ、繰り下げについておさらいをしていきましょう。

年金を65歳からもらわず、繰り上げをすると年金額は減額されます。1カ月当たり0.5%年金額が減ってしまいますから、60歳まで5年間の繰り上げをすると年金の減額率は0.5%×60カ月=30%となります。この減額率は、生涯変わることがありません。

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